アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
195
-
まさか……あいつが…
いや、東だからこそできたことか……
そう思うことで少しだが納得できた。
今はあんな状態だとはいえ、東はいちお有能な風紀委員長なんだからな。
あいつの実力は一緒に仕事してきたからこそ、認めざるを得ない。
どんな方法を使ったのかはしらねぇが、流石だな。
「……まさか、お前がこのクラスのために動くとはな」
席に着くと同時に玖川が話しかけてくる。
「……別に」
「………まだ怒っているのか?」
そっけない態度が気に入らなかったのだろう。
顔をしかめて聞いてくる。
「……別に」
「機嫌直せよ」
うぜぇ……
反応するのが面倒でシカトした。
「そうだ、片桐」
思い出したかのように黒木は俺の名を呼ぶ。
「これから風紀に来いだとよ。仕事場、用意できてるだとさ」
「チッ………あぁ、わかった」
仕事が早いっつぅの
俺は参考書を閉じて立ち上がった。
生徒たちはいまだに体育祭のことについて騒いでいる。
よっぽど行事への参加が嬉しいらしい。
その姿は普通の男子高生そのものだ。
それを一瞥し、前から感じる玖川の視線を気づかないふりをして教室を出た。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
195 / 376