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「待てよ」
出た瞬間に腕を掴まれて足を止めた。
「……今度はなんだ」
顔だけそちらに向けるとすごく不機嫌そうな顔で玖川が俺を見ている。
さっきからこいつはなんなんだ……
珍しく教室に来たと思ったら、ウザいくらいに絡んでくる。
「……風紀のところ行くのか?」
「あ?…あぁ……これが約束だったからな」
そう言って腕を離そうとするが、やはりこいつの力には敵わない。
「仁」
「あ?」
「……東直樹には気をつけろ」
「…は?」
おいおい……俺は一体何人の人間を警戒しねぇといけないんだ。
つか、一番あぶねぇやつが何言ってんだって話だ。
「……お前は鈍いから、何もわかっていない。東直樹のことも、他の生徒のことも」
“そして、お前自身のことも”
玖川は俺をジッと睨むように見つめたまま低い声で言う。
それに負けないように俺も睨み返した。
「余計なお世話だ」
「……なぁ、仁」
「チッ…だからなんだ」
はっきりしない玖川だんだんと腹が立ってくる。
心なしか、それに伴い玖川の表情はどこか苦しげに変わっていく
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