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「……つか、さっきまでどこ行ってたんだ」
体育祭の日程を頭で考えながら東に問う。
「第一体育館。水瀬がまた器物破損、やってくれてな」
東も手を止めることなく答え、ため息をついた。
「水瀬……あぁ、生徒会長様か」
「………一応、な」
「その尻拭いをさせられてるわけか。風紀は本当に苦労してんだな」
仕事はしないのに問題は増やす。
本当に迷惑極まりない野郎だ。
器物破損、か。
体育祭前なんだから体育館での授業は滅多にないだろう。
ましてや、この晴天
どうせクソ役員共とサボっていたんだろうな。
まぁ、全くもってどうでもいいが
「………よし、これでどうだ」
「は?も、もうできたのか…?」
とりあえず、効率と盛り上がりを考慮した上でたてた計画を東に渡した。
「そのくらい簡単だ。これでもいちお今までやっていた仕事だからな」
驚き固まる東をよそに俺は次の書類を手に取った。
「……すごいな。俺たちは手も足も出なかったのに」
「当たり前だ。お前たちはあくまで風紀だろ?考えるより動いてもらうことが仕事だからな。それにこれにはある程度の経験っつうのが必要なんだよ。まぁ、気にすんな」
「……片桐。お前、結構いい奴なんだな」
「は?……んな世辞はいらねぇから手を動かせ、手を。俺は計画はたてるが、決定を出すのはお前の仕事だからな」
東が息を呑むのがわかる。
俺があくまで補佐的立場にいることを思い出したようだ。
「……片桐」
「あ?まだなんかあんのか」
手を止め、少しだけ東の方を見る。
彼はまださっき渡した書類を手にしたまま、俺を見ていた。
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