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204 no side
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________ 3年Fクラス
拓人は仁と分かれた後、一人そこに向かった。
上級生といえど、拓人を知らないものはいない。
彼を見るなり生徒たちは会話を止め、拓人に視線を集める。
「チッ……」
拓人はその様子に顔を顰めながらある人物を探した。
意外にもその相手はすぐに見つかり、相手も拓人の存在に気づくと手を上げて近づいてくる。
「へぇ〜来ないかと思ってた」
「黙れ」
拓人の顔を覗き込みながら、面白そうに笑う。
そんな彼に拓人はただ顔をしかめた。
「珍しいね。お前が自分から俺に会いに来るなんて。彼はしっかり伝えてくれたのかな?」
「……やっぱり仁と会ったのか、大輔」
拓人が仁と呼んだとき、大輔は一瞬目を見開いた。
が、すぐに愉快そうに口角を持ち上げ、目を細める。
「へぇ〜そんなに特別なんだ、彼のこと。チームにも入ってない子を名前で呼ぶなんて」
「……何が言いたい?」
「フッ……誰の指図も受けないお前が、唯一片桐くんの言うことだけは聞いた。もしかして拓人、お前……彼のこと、気に入っちゃった?」
「っ…てめぇっ…!」
拓人はいきなり大輔との距離を詰め、少し低いその胸ぐらを掴み上げた。
拓人が怒りで顔を染める中、大輔は涼しい顔でそれを見つめている。
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