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予感
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「おい、菫聞いてんのか?」
『ん?ん~、聞いてないー』
「おまえ……そう言うとこは素直だな」
『俺はいつも素直だよーん』
素直すぎてこまっちゃーう なんてな、
俺の病室は病院の中でも一番奥で階段に近い部屋。
この階段をひとつ降りたら菊地の診察部屋で何かと楽。
「早く病室入れ、んで腕まくれ」
『はーい』
俺の病室は四人入れるところだけど俺は特別にそこのベッド1つ使っていて他のベッドは誰もいない、
まぁこの病院じたい入院者ほぼいないんだけどー、
てか俺の腕注射痕多いなー、なんか薬中みたいじゃねーの
点滴するのに腕をまくるとふとそう思った、
まぁ年がら年中長袖の俺の肌は白いなら痕がよくみえるだけなのかね
「なぁ、菫お前進行してることあいつらには言ってんのか?」
『いやぁー、言ってないよ~』
言えるわけないだろ、あんな暖かいい奴らに
「言わないつもりなのか?」
『わかんねぇー、けど今のとこは言わない』
「まぁお前が言わないなら俺にも守秘義務があるしいいが最後まで言わないなら誤魔化しきれない面もこれからあるぞ」
『そーゆーときはきくっちーの腕が試されるんでしょーが~』
「はぁ…お前今日はいつもよりお気楽だな」
『そうー?』
「あぁ。あいつらがくるからか?」
『かもな、』
今日はあいつらがくる。
最近なんとかっていうチームに喧嘩うられていろいろ面倒くさいことなってたらしくここ3日来ていない
寂しいくない。
って言うと少し嘘になるけど、俺らしくな
まぁあいつら以外に会いに来る人なんか俺にはいないから暇なだけ
だから菊地いじりをする
「今日はあいつら来るらしいし点滴、長続きするのにしとくぞ」
『えー、まぁいいけど~』
「じゃあそろそろ診察始まるし戻るな、ちゃんとベッドにおれよ、まぁ無理だろーけど」
『わかってんじゃ~ん、あっ煙草はー?』
「病人に渡すと思うか?」
『きくっちーおけーちー』
そう言うと菊地は背中を向けて病室を出ていった
ベッドの上で寝転びふと窓の外を見る
──空はどこに行っても繋がってるのよ
昔、綺麗事が好きな母親が言っていたことを思い出す
また思い出してしまった…
なんだか今日は本当に俺らしくない
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