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朝
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『続いてのニュースです。現在指名手配ち』
もう直ぐこの部屋にも陽が出てくるだろう。
薄ら暗い居間からキャスターの声が聞こえてくる。
遠くで微かに水が流れる音がする。
今日は起こす必要は無さそうだな。
内心少し残念に思いながらハルカは朝食の支度を急ぐ。
ヒサナの家に泊まれば必ず朝は俺がつくる。
別に誰かが決めたわけでは無いけれどいつの間にかそうなっていた。
「お前昨日、帰んなかったの?」
気付かないうちにヒサナが俺の背後にいた。
出てきたばかりのせいか、髪はタオルで拭いて上半身は裸だった。
「まぁな。たまにはいいだろ?」
「ふうん。」
俺の返事に納得したのかはたまた聞いてないのか、振り返りヒサナをみると、仏頂面で突っ立ったまま、作りかけの朝食眺めていた。
よく見ると彼の髪からはまだから水が出いてそこから透明なシズクがフローリングの板をぬらしていた。
「床。」
「………あぁ。」
皿から自分の足元に視線を移す。
「…汚れるからちゃんと拭け。」
「ッへぶしょい。」
「オッサンくさ」
「………るせーよ」
耳が赤い
思わずタオルを奪い髪を代わりにふいてやる
「もう直ぐ朝飯出来るけど、食べる?」
「あぁ、服来てくる。」
ヒサナの頬に口を付ける
「早くね?」
「へいへい。」
面倒くさそうにしながら照れるのはヒサナの癖だと気づいたのは付き合い出してからもう二年も前だった。
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