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出会い
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ヒサナと知り合ったのは大学二年生のゼミだ。
女性の数は減っていると報道されているが、大学のゼミには二十人中九人が女子だった。
俺の実家は古くからこの地域の地主で旧家だった。かといってよくある、親に対する反抗心が強く芽生えたり、偏見の目で周囲から注目を浴びることも無かった。
比較的俺は誰にでも同じ様に接することが出来たし、友人や恋愛に関してもことさら困ることは無かった。その頃は一人暮らしにも慣れちょくちょくゼミの女友達や男子が俺の家で入り浸っていた。
ゼミの教室に入ると美希が真っ先に俺の所にやって来た。
「あ、ハルカだぁ??」
「ねぇ、レポート写させて?昨日家で寝ちゃったの。」
「ちゃんとやれよ。バカ。」
「だって、ハルカが行けないんじゃん。」
「ハルカがぁ、あんなことするから??」
一瞬ゼミが静まり返ったのはきのせいだろうか?
「ね、お願い。」
上目遣いで、美希がおれをみてくる。
焦げ茶の目が潤んでる様に見えなくもない。
少しずるく無い?コレ。
「………あぁ。わかったよ。」
「やったぁ??」
「ちゃんと終わらせろよ?」
「うん??ハルカぁーありがと??」
「それとな、美希。」
「うん?何?」
「あんなこと、って言うと他者に語弊を生む可能性が有るからちゃんと言おうな?」
「えー美希は誤解が有るほうが嬉しい。」
「うん。俺は嬉しくない。特に昨日家にある酒勝手に全部飲んで大の字で寝ている娘に言われてもね。」
「あーあつまんな。ちょっとしたギャグだったのに。」
そう言って美希は、自分の席に戻って行った。
美希は可愛い。他の男友達も家にあげて何も起らないのか、と半ば怒った様に聞かれる。
誰かを好きになって、相思相愛?
考えただけで疲れる。
出来れば人とそんなに干渉せずに付き合いたい。そっちの方がラクだし後腐れもない。
「隣、失礼します。」
「あ、どうぞ。」
長めの足に黒いスキニーパンツ。上はそんなに派手じゃない白のワイシャツに赤褐色のカーディガンを羽織っている。髪は結構短く黒縁のメガネをかけピアスを耳に着けている。
今迄こんな奴ゼミにいたっけ?
そいつを眺めていたら、不機嫌そうにこっちを見た。
「何?」
「いや、悪い。みない顔だなって思ってさ。」
「あそ。」
「うん。で?」
「…でって?」
「名前聞いていい?」
「ヒサナ。」
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