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他の客に呼ばれてママが中座したので、俺は話相手を失ってしばらく水割りをすすっていた。
つまみは茹でた塩豚と水菜。柚子胡椒が効いてて、旨い。
入り口のドアが開いて、若いサラリーマン風の男が一人で入ってくると、
そのまますっとスタッフ専用口に姿を消した。
さりげなくすばやい動きだったが、俺は「あ、マコちゃんだ」と気がついた。
彼は昼間は会社勤めをしていて、夜はここで働いているのだ。
「髪、切ったんだな・・・。」
以前昼間の姿を見た時はたしか、ボサボサ頭で前髪も長くて、顔が半分くらい隠れてたっけ。
「ジョーさん、いらっしゃいませ。」
しばらくしてマコちゃんが、綺麗なピーコックグリーンのドレスで微笑みながら
俺の横にやってきた。
明るい茶色のロングヘアのウィッグがよく似合ってる。
さすが、若くて肌がきれいだから、メイクの乗りもママとは雲泥の差。
「お、マコちゃん、どう、彼女とは。」
俺の問いかけにマコちゃんはポッと頬を染めて「やだ、ジョーさん」といった。
「お店じゃワタシが女の子なんですから。シーっ。ですよ」
人差し指を形のいい唇の前に立てて小首をかしげてみせる。
「髪、切ったんだね。」
「えっ?、あ、さっき見られちゃいました?」
「うん。えらくこざっぱりしてたね。」
「ちょっとは社会人らしくなってました?」
「うん、なってたなってた。それに・・・なんていうか、 壁がなくなったかんじ。」
「え」
「前のマコちゃん、素のときは、我に触れるな、って感じだったもん。」
「ええ~、ほんとに?」
「うん。・・・違った?」
「ん~。あ、でもちょっと当たってるかも。
あのね、このカッコのときは仕事だし割り切れるんだけど、
素のときは、他の人とどんな風に接していいかわかんなかったから。
そっかー、前髪でバリケード作ってたのかな、無意識に。」
「彼女のおかげで変わったんだな。鎧が取れたんだ。」
「あーーん、だからココではシーーッ!だってば。」
「はははは。」
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