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鯖缶を購入し2人で俺の部屋へと入った。
男にはソファーに座るようにいい俺は早速料理に取り掛かる、といっても作り置きの炊き込みご飯用の野菜を解凍して鯖をほぐし、出汁を入れて炊飯機のスイッチを押すだけだ。あら簡単。ちなみに今回は時間を考慮して早炊きだ。
当初の予定ではこのあと二度寝タイムに突入することになっていたのだが、あの男が来ているのでそうもいかない。
…………あれ、今思えばあんな怪しい男部屋に入れて良かったのか?金目のもの盗まれたりしないよな?
まぁもしそうなりそうなら、鉄拳制裁も到しかねない。もし泥棒だったらと思うと多少緊張してきた。
そんなことを思いつつキッチンを出て男の姿を確認する。男は言われたとおりに何をするでもなくソファーに座っている。
怪しい動きはないようだ。
フードを外したようで、柔らかそうなブロンドの髪が現れている。日本人じゃないのか……?
「お、おい」
「何?」
ソファーに沈む体に声をかける。
「茶とコーヒーどっちだ?」
俺がそう言うと男は肩を震わせた。もしかして笑ってるのか?馬鹿にされてる?
どこに笑う要素があるんだ?感じ悪ぅ……
「じゃぁ、お茶を頼むよ」
「……分かった」
先程から湯は沸かしていたので後は簡単だ。俺の分を湯呑相手の分をマグカップに茶を注ぎ持っていった。
「ほらよ」
「ああ、ありがとう」
俺からカップを受け取った相手が、ん?と漏らしたのを耳が拾った。
「何だよ……」
「紅茶じゃないの?」
「は?」
「お茶って聞くからてっきり紅茶かと思ってたんだけど」
どうでもいい!!限りなくどうでもいい。相変わらずマスクとサングラスで表情は見えないが不機嫌なのは伝わった。
我が儘かこの野郎。
「要らねぇなら俺が飲む。そこに置いとけ」
「飲まないとは言ってないよ」
「……じゃぁ文句言うんじゃねぇよ」
こいつムカつく!!絶対どっかのワガママのボンボンだろ。そう思っていると男がマスクを外した。突然のことに驚き固まる。
「何だい?」
「いや、マスク外してっから」
「君は俺がどうやってお茶を飲むと思ってたのさ」
クスクスと男が笑った。出会って二十分程度初めて相手の輪郭がわかった。肌は白い。鼻も高い。ひょっとして、ひょっとしなくてもイケメンのようだ。目は見えないけど。背も高い上にイケメンとか世の中不公平だな。俺は170でさえないっていうのに……。
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