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結局その後俺が作ったのは、ほうれん草のおひたしと豆腐のかき玉汁。炊きあがった炊き込みご飯と並べてみれば晩飯だと言われても違和感はない。
にしても炊き込みご飯が美味しそうだ。薄い褐色の米はつやつやだし、いい匂いがする。
しゃもじで混ぜたときはお焦げもできていた。上出来だ。
テーブルに料理を並べると声をかける前に男は寄ってきた。
「わぁ、美味しそうだね」
茶碗は自分の分しか持っていないためおにぎりにして男の前に置く。
あいつだけおにぎりというのもアレなので自分の分もおにぎりにした。
「「いただきます」」
最初に食べるのは勿論炊き込みご飯だ。
出来立てなのでまだ暖かい。ふっくらとした炊き上がった米に、柔らかな鯖の身、味付けもちょうどいい。
これにごぼうが入ればもっと良かったかもしれない。
続いておひたし。まぁ、普段も作っているし問題はなかった。
かき玉汁も卵がちゃんとふんわり仕上がっている。自分の中じゃ合格だ。
「なぁ、美味いか?」
目の前で黙々と食事を続ける男に聞く。
一言も発さないものだから不安だった。もしかしたら口に合わなかったかもしれない。
作り手としては変な男でも食べた料理は美味しいと思って欲しい。
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