アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
8。
-
どうせ野口とか出してくるだろうから突き返すか釣りでも渡すかとか呑気に考えていたのに樋口も通り越して諭吉とか……
あんな夕食に諭吉が2枚の価値なんてある筈ないのに。
男の前へ滑らせて突き返す。
「どうして受け取ってくれないの?」
「あれにそんな価値あるわけ無いだろ、価値くらい見極めろ!!」
「……」
そう言ってテーブルに身を乗り出した俺に無理矢理諭吉を握らされた男は俺の顔と諭吉を見比べて口角を上げると俺の手に諭吉を握らせた。
「俺にとってはこれでも足りないくらいだったけど」
「は?」
「でも、君が受け取らなさそうだからね、これはこれからの食費も兼ねてってことで受け取って」
ね、と俺の手を握る。こいつ手もでかい……
「ああ、でもさっき言ったみたいに毎日は来れないけどね」
あはは、と男は笑う。俺も誰かと食卓囲みたかったとか言ったけど毎日は流石に遠慮させてもらいたい。
「そうだなぁ疲れた時に来るね」
疲れた時こそ、来ずに休めよ。
口には出さないけど。てか、
「手離せよ。受け取るから」
「ああ、君の手が可愛いからつい」
「……」
嫌味か。俺が小さいといいたいのか。
自分の手がデカいからってこいつ……
俺は多少イラつきつも明日の献立を考えていた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
32 / 106