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友人がうちを訪ねたいらしい。
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「あれ、三木どうした、それ」
6月。衣替えの季節だ。
教室であった三木の頬にはガーゼが貼ってあった。
「あー、ぶつけた」
三木のそそっかしいところを思い出し納得する。
「筒井ー、今日お前んち行っていい?」
「……いいぞ、予定はないし」
今日はあいつは来ないってい言ってたし。
2万円を受け取ってから5日と開けずに俺の部屋にベランダから侵入してくる。
出している料理は和食が多い。単に俺のレパートリーの問題だけど。
男のが一番喜んだのはお好み焼きだった。どうにも食べたことがなかったらしく食べてみたかったと笑っていた。
未だにサングラスを外す気はないらしい。相変わらず名前も聞いていない。
その距離も楽だった。ただ食事を共にする仲が心地よい。
宮原かもしれない。その考えは胸に秘めたままだ。
「つーついっ」
「――っ!!!!」
急に暗転。三木が消え代わりに暖かいモノが視界を遮る。
「誰でしょうか?」
「…………宮原」
「正解、おはよう」
にこ、と宮原は笑った。それにジト目でおはよと返す。
「なんで不満そうなの?」
そういいながらほっぺたをぷにぷにと触られる。最近知ったこと。宮原は意外とスキンシップが多い。
今のようによく頬に触れたり髪に触れてくる。不快感は全くない。髪を触れられるのは心地よいとさえ思う。
「お前タイミング悪い」
「えー、何それ」
「宮原のこと考えてたから驚いたんだって」
三木が茶化したように言う。実際そうだったからそうだよ、と返すと宮原が固まった。
「そろそろ予鈴鳴りそうだからオレ帰るね!!」
「おー、慌ただしい奴だな、またな」
宮原が帰ってしまったので三木の方を見ると時計が目に入った。
「何だ、まだ予鈴鳴るまで5分以上あるじゃん」
「天然こえー」
「は、何が?」
変なこと言う奴だな。
三木の複雑そうな表情に俺がハテナを浮かべる。
「いや、まぁいいんだけどさ」
そう言って三木は曖昧に笑った。
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