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「亮大」
屋台をいくつかひやかしてりんご飴を食べていたとき、聞き覚えのない声が聞こえた。
呼ばれたのが三木の名だったので振り返る。三木も驚いたように声のした方を見ていた。
そこに立っていたのは黒髪でたれ目の男だった。三木を見てふにゃりと笑う。
彼氏だとすぐに分かった。
「先輩」
少しだけバツが悪そうに三木は呟いた。
「亮大に会えるんてオレ運がいいなぁ」
「ぃっ――」
三木に近づいた男は三木腕を掴んで俺たちから引き離した。
三木を見て嬉しそうに目を細めてその髪に触れ、首筋に触れる。
「せ、先輩友達いるから……」
「……あ、君たちが亮大の友達なんだ」
まるで俺たちに気づいてなかったような口ぶりだ。
「筒井と宮原。こっちが美作先輩」
三木はへらっと笑った。その頬は薄く色づいている。
もしかして俺たちは邪魔何だろうか。宮原にアイコンタクトを送るとかすかに頷かれる。
「三木折角だから先輩と回れよ。俺は宮原と回るし」
「えっ、筒井それは――」
「わぁ、ありがとう!! お言葉に甘えさせてもらおうよ亮大」
彼は三木の指に自分の指を絡ませて俺たちの方を一度も見ないで三木を連れていってしまった。
三木は何か言いたげにこちらを見たがそのままついて言った。
「……溺愛されてるね」
「ああ」
宮原がぼそ、と呟いた言葉を拾う。
正直言うと少し気味が悪いと思った。三木に対しては優しそうだったが俺たちのことは興味もないようだった。
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