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「ね、君俺と遊ぼーぜ」
はぁ? まだ、地面にはおろしてもらえないようなので首だけひねる。
くすんだ金髪と灰色の目の男が俺を持ち上げていた。
「下ろせよ」
不機嫌なのを隠すことなく告げる。
いきなり人の事持ち上げやがって。
「うん、かYesって言ってくれたらおろすぜ」
ニヤニヤと下品な笑みを浮かべながら男が話す。さっきから腰のあたりを触られてるのが気持ち悪い。もうこいつ蹴っていいかな。話通じなさそうだし。
「君可愛いし、二人でどっかい――――」
「ダメ!!」
「ぅわっ」
ガクン、と視界が揺れる。
「オレがいるからあなたはお呼びじゃないよ」
宮原が俺を引っ張り、抱えたのだと気づく。男は舌打ちをするとどこかへ消えてしまった。
「筒井大丈夫?」
「おー、もうすぐで殴るか蹴るかしてたわ」
「はは、筒井らしい」
屋台の通りを人ごみの少ない方へ向かって宮原が歩く。道行く人がこっちを見ている。
「なぁ、宮原そろそろ降ろしてせよ」
すごく恥ずかしい。
「筒井が変なちょっかい出されないようにね」
「んなことする奴いねーよ」
「さっきいたじゃないか」
「はいはい、まぁ下ろせって」
やっと降ろしてもらえた。宮原も変なことをしたがる奴だ。おかげで恥ずかしい思いをした。
軽く睨むと視線をかわされた。
「あ!! もうこんな時間だ。約束に遅れちゃう」
時計を見た宮原が慌て出す。
早く行けばいいのにあー、とかうー、とか言ってなかなか行こうとしない。
「早くいけよ」
「だって、筒井一人だと心配だし」
「ガキじゃねぇから、迷子になんかならねぇよ」
「うーん、そういうことじゃないんだけど……」
心配するなと背中をたたいてやった。
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