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何とか動かした手がコップに当たってコップが倒れた。
それと同時に男の手が離れる。
「ぁ……」
白いテーブルに緑の水たまりができる。
まだ心臓はうるさい。顔も熱い。何だこれ。知らない。
「ああ、ごめん。布巾取ってくるね。キッチンだよね」
男は平然としていて更に分からなくなる。何で俺だけこんなに……。
顔を包んだ大きな手、頬をなぞった細い指。先程のことが頭から離れない。顔も熱いが触れられた所はさらに熱い。
唇にも触れられた。同じ箇所を自分でも触れる。
「そういう事他の人の前でしないでね」
「うわっ!!」
いつの間にか後ろに来ていた男が笑いながら言う。手が伸びてきてテーブルを拭いてくれる。
「お前こそあ、あんな事するなよ!!」
「ごめん、ごめん、反応があんまりにも可愛いから」
「可愛いって男だぞ」
「可愛いは可愛いよ」
これ以上何を言っても変わらなそうだ。まだ心臓はうるさいが無視して立ち上がる。
「飯食うか」
「あ、今日は何?」
そこでふと、男の機嫌がすっかり治っていることに気づいてほっとした。……だから何でほっとするんだよ。
叔父なんて俺と話すときはいつも機嫌が悪かったからそんなの慣れてたはずなのに。
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