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side:三木 織姫と彦星が出会うその裏で。
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ぽーん。
呑気な、それは場違いな音が響く。
筒井からだ。大丈夫だったか? それだけの簡素なメール。筒井らしい。
あの人が風呂に入っていて良かったと思う。あの人は俺がほかの人と連絡を取るのが好きではないから。
何が? と可愛らしい顔文字とともに送ってケータイをベッドサイドに置いた。
本当に、何が? 何か俺に都合の悪いことでも起こったようなそんなメールの内容に理解ができない。
でもきっと筒井のことだから変に勘違いして変に心配してくれているのだ。可愛い奴。
ふ、と口元が緩む。
「何笑ってるの?」
いつの間に出てきたのか後ろからギューっと抱きしめられる。髪を拭いていないみたいで雫が俺のTシャツに吸い込まれていく。
「先輩のこと、考えてた」
そう言わないと不機嫌になるのを知っている。
俺がそう言うとふにゃ、と笑っった。愛おしげに俺を見るその表情にきゅ、と胸が締まる。そのまま顔が近づいてきて、唇が重なった。
触れるだけのそれを2、3回。
「亮大、赤い」
くすり、と笑って今度は目尻に触れる。
「緊張しちゃ、ダメ?」
「まさか、可愛い」
そう言ってまた唇が重なって。次は触れるだけじゃないのを俺は知ってる。ぬる、とした感触と熱に侵食される。
吐息と声が漏れて、どちらのとも分からない銀糸が息とともに垂れて、筒井の事バレなかった。そう思った。
気づいたらベッドに組み敷かれていて、それになんだかホッとした。
シャツ越しに脇に触れられ、鈍い痛みが走る。でもそれはゆるりと生地を滑っただけでそれ以上は何もされなかった。
「ごめんね。亮大」
「何が?」
両腕を先輩の首に回す。
すぐにキスの雨が降る。目尻、鼻、頬、首筋、鎖骨。ぴり、と緩い痛みが走って吸い着かれたのだと理解する。
もどかしい熱がじわじわと溜まっていく。
『相談に乗るからな』
シャツに侵入してくる先輩の手を見ながら頭に浮かんだのはその言葉と声で何故だか泣きたくなった。
「っせんぱ、ぁっもっと……!!」
だから更に強く、先輩に縋った。
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