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終業式まで。3日目。
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『ちょっと荒療治が必要かもな』
そう言って村岡サンは笑っていたのは今朝の事。三木には昨日会って話をしたらしい。
俺に任せろと村岡サンは言う。
『三木君て、昔の俺にちょっと似てるんだよ』
そう言う村岡サンの表情はちょっと悲しそうだった。
*
「なあ、お前何でそんなに俺の料理美味い美味いって食ってくれるんだ?」
今日のメニューは焼き魚に味噌汁、おひたしという誰せも作れるような料理だ。それなのに宮原は俺を褒めちぎる。
ここまで褒められる逆に何か企んでるんじゃないかと思ってしまう。
宮原は箸を止めてにこっと笑った。
「だって、ただ俺の為を思って作ってくれてるから」
優しい表情に引き込まれる。
「家の料理は料理人が作ってくれて、美味しいんだけどそれだけなんだ。
君の料理は俺を優しい気持ちにさせてくれる。
それが俺を思って作ってくれてるからだってすぐ分かったよ」
それに、と付け加える。
「メニューだって考えてくれてるのわかるよ。俺が疲れているって言った次の日には消化にいいもの出してくれるし」
「た、たまたまだ。材料があったから……」
そう、と微笑まれ恥ずかしくなる。
「君が仕事とかじゃなく純粋に俺のために料理を作ってくれるから。
君と一緒に夕飯を食べるのが今の一番の楽しみだよ」
「お前の一番しょぼいな」
はは、と笑うっみせたけど何も言わない。俺をじっと見ている。
笑ってみせたけど本当は嬉しい。そんなこと言ってくれるだなんて。
落ち着かない。変な顔をしていないだろうか、思わず俯く。俺も、と小さく絞り出す。
「俺も、お前と食べるの楽しみにしてる……」
顔を見て言わないとと思いつつまっすぐ見ることはできなくて下から伺うような感じになってしまう。
「本当、可愛い」
「っはぁ!?」
可愛いって俺に言ったのか? 俺しかいないからそうなんだろうけど……。
可愛いって言われたことに対する少しの怒りとそれ以外にむず痒いのが混じっているのに気づいて俺は顔を顰めた。
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