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「おい、筒井」
「なんすか?」
帰ろうとしたところを担任に呼び止められる。
「三木のことなんだが、最近どうした?」
「あー……」
俺が言い澱んだのを見て何かを察したのか小さく嘆息する。
「あいつに余りにサボリや無断欠席が続くようなら学園側としてはサポートしてやれないと言っておいてくれ」
明日から出張で言う暇がないと担任は言った。
「あいつ、特待生なんすか?」
口ぶりからするにそんな感じだ。
「何だ、知らなかったのか。
家庭事情もあるがあいつの成績は学年上位だからな。だが、近頃は小テストの類も振るわないしな。俺としてもあいつには頑張って欲しいんだがな」
そう言ってまた1つ嘆息した。
仲のいいお前からも一言言ってやれと肩を軽く叩かれる。
担任の背中を見送って壁にもたれた。
「あの、馬鹿……」
電話をかける。着信音が鳴るが何秒たっても三木は出ない。一度切り、もう一度かけ直す。だがやはり出ようとしない。
最後に留守電につながった。さっき担任が言っていたことをそのまま告げる。
「俺、お前らが泊まりに来てくれたとき本当に楽しかったから、また前みたいに遊びたい。
あと、お前のこと大事な友達だと思ってる。だからなんでも話して欲しい」
最後に一言そういれた。
三木が心配だ。だってあの様子はおかしい。前より笑わなくなった。どんなに暑くても長袖は手放さない。
だんだんと痩せていっている気もする。
村岡サンに連絡をとる。
彼はすぐに明日三木を連れてこいといった。
俺は二つ返事で了承した。もし三木が嫌がったとしても無理矢理にでも引っ張ってくるつもりだ。
さっきの留守電の言葉に嘘はないから。三木には笑っていて欲しい。また一緒に馬鹿したいんだ。
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