アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
2。
-
着信音、通知音が止まない。
あれから時間も立ち三木は風呂を借り村岡の部屋のソファーに座っていた。
鳴り止まない携帯に三木は落ち着かないようだった。そわそわと携帯と周りへ目を向ける。
「三木君、彼と話し合うつもりはあるか?」
「……どういう事ですか?」
「彼との関係をどうするにせよ今のままじゃ三木君が壊れてしまうことは目に見えてる」
それを聞くと、はぁとため息をついた。
「俺、分からないです。自分の気持ちに気づいて、変わっちゃった」
力無く笑う。
彼のことを怖いと思った。前のようにただただ好きだとは言えなくなった。目が怖い。自分を殴った手が怖い。
「正直会いたくないです。でも学校も休めないし結局会うことになる」
きっとまた殴られるんだろうなあと呟く。
「そんな事させないさ」
ふ、と村岡が笑う。
「おじさんに相談してくれたんだからそんな事はさせないよ」
そう言って微笑むと立ち上がってキッチンへ歩いていく。
「ちょうど明日は休みだし、元気が出るドリンクをやろう」
にや、と笑った村岡の手にはグラスが二つと500mlの缶が一本。
それをに見た三木が目を丸くする。
「それ、ビールじゃないですか」
「あれ、三木君もしかしていい子ちゃん? そんな見た目だからてっきり」
「そんな見た目って失礼ですね。飲んだことくらいありますよ」
「だってそんなに穴いっぱい開けて痛そうじゃん?」
俺、痛いの嫌いだし、注射とかもと顔をしかねる村岡にくすりと三木が笑った。
「注射って、子供ですか」
「お、笑った」
うん、やっぱり子供は笑ってるのが一番だよと嬉しそうに村岡が言った。そして真面目な顔つきになる
「君がその気があるなら明日にでも彼氏と話すといい。俺もついていくし」
「そうします」
そう答えた三木は自身の携帯に手を伸ばした。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
80 / 106