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終業式まで。10日目。
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『筒井、俺です。昨日はゴメンな。決着がついたから明後日の月曜日お前と宮原に話をします。本当にありがとう』
三木からのメールにホッと息をついた。もうすぐ前のようなあいつが見れる。
***
「つっついー!!!!」
次の日朝から鬱陶しいくらい三木は元気だ。
俺の姿を見た途端抱きついてきやがった。
「筒井ー!! この触り心地!! 俺の腕に収まるサイズ!!やっぱ筒井可愛い」
「お前キモい......」
「えー!! 久しぶりに俺が抱きしめてあげたのに酷くない?」
「元気過ぎてびっくりだわ......」
おかげで朝から疲労度マックスだ。
「でもまぁ、それくらいがお前らしいんじゃね?」
「へへ、ありがとな」
昼休みには久しぶり二三人で昼食を食べた。場所はいつもと違って空き教室で三木の話を聞いた。
気づけなくてすまなかったと謝る俺達にいいんだ。俺が間違ってたと三木は笑った。
「なぁ、筒井、俺筒井の弁当食べたい」
「何だ急に」
「頑張ったご褒美に」
「あ、オレもー!! 何もしてないけど」
あは、と宮原が笑う。
「しょうがないな、明後日作ってきてやる」
わーいと二人がハイタッチした。三木が笑顔をさらに緩めてふにゃりと笑う。
「良かった、俺。お前らとまたこうして過ごせてすっごい楽しい」
「三木......」
宮原と顔を見合わせて三木に手を伸ばす。三木が体をこわばらせる。落ち浮かせるため微笑んで片手で髪に触れ背中に手を回した。宮原も同じように。
「俺らも嬉しいよ」
「おかえり」
ふ、と三木の体から力らが抜ける。ありがとうと蚊の鳴くような声が聞こえた。腰に片手が回された。
ぐすっと鼻をすする音が聞こえる。宮原と顔を見合わせて笑う。
「ごめん筒井、鼻水ついた」
「おい、今すぐ離れろ」
「宮原にも付けるから許して」
「三木、許されると思ってるの?」
「うへ」
日常が戻ってきた、そう思った。
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