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「あの、何で会長だってこと黙ってたんですか? 宮原っていっても否定しなかったし」
食事中気になっていたことを聞いてみた。
「俺さ、この容姿だから周りからキャーキャー言われるんだよね。だから、君には容姿抜きで知って欲しかったんだ
君、入学式でも寝ていたからきっと俺の事なんて知らなかっただろうし」
当たりだ。入学式も校長の話あたりで寝ていたので生徒会長の話など一言も聞いていない。
「それに俺だって宮原だよ。宮原 瑛が俺の名前」
あきら、小さく呟いた。
「君が言ってたのは陸の方だろう?」
「似てますよね」
確か前に従兄弟だと言っていた。
「ああ、兄弟なんだ」
「従兄弟じゃないんですか?」
「あいつがそう言ったの?」
頷くとえー、悲しいなぁと呟いた。そこまで悲しそうじゃない。
「あ、あと筒井君その喋り方やめてよ。前みたいなのがいいな」
「でも、先輩ですから」
「今日寝た罰ゲームだよ」
「……分かった」
結構強引な人だな。俺が了承したことに満足したのか卵焼きを頬張ってふふと笑った。
笑ったらこんな風なんだ。さっきから新鮮だ。この容姿なら騒がれるのも無理ないだろう。
「ねぇ、夏休みのご予定は?」
「特に」
「実家帰る?」
帰るも何も家がない。首を振る。
一度両親の墓参りに行けたらそれでいい。それ以外は寮で過ごすつもりだ。
「じゃぁ、バイトしない?」
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