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夏休みを君と。
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会長の言うバイトは会長の部屋で泊まり込みで三食作って洗濯と掃除をする、まぁ簡単に言えば家政婦だ。婦じゃないけど。
生徒会役員は休み中も仕事があるらしい。大変だ。
今日は夏休み初日だ。生徒会役員の部屋は学校の近い建物の最上階にある。
鍵のこともあったので夜に一緒に部屋へ向かった。
「ここが俺の部屋、覚えてね」
生徒会役員が生活するフロアは他のフロアに比べて部屋と部屋の感覚がゆったりとしている。
まぁ、生徒会の特権というやつだろう。
会長の部屋は綺麗だった。家具はモノトーンでなとめられており、掃除も行き届いている。
俺の部屋より明らかに広い。生徒会すごいな。
「整理整頓行き届いてるな」
「筒井君が来てくれるから昨日頑張ったんだ」
「でも、俺の仕事なくなるぞ」
「筒井君は気にしないでいいんだよ」
つん、とほっぺたをつつかれる。何だこれ。気恥ずかしい。
荷物はここに置いてねと寝室へ通される。
「俺の布団とかあるか?」
もしなくてもタオルケットくらいを貸してくれれば夏だし寝れるだろうしな。
会長は用意してあるよーと笑った。
食事は済ましていたので会長に先に風呂に入ってもらう。そのあいだに荷物の整理を済ませよう。
「……にしても本当広いな」
寝室もだがベッドも大きい。ダブルくらいあるんじゃないだろうか? こんなベッドに寝転べたら気持ちいいんだろうな。
そんなこんなで人に部屋を見るのは意外と楽しく会長が風呂から出るまで暇ではなかった。
「筒井君、こっちおいで」
風呂から出てリビングに戻ると会長はソファーに座っていた。
ここ座りなよと腕を引かれ足の間に座らされる。近いくないか。
「俺と同じ匂いになったね」
くす、と笑い声が耳元で聞こえる。ぞくり、何かが這い上がった気がした。
「なんで、この格好……」
息が詰まる。スペースなら余るほどあるのに恥ずかしい。
「筒井君濡れっぱなしは良くないよ」
す、と濡れた髪を触られる。
かち、とスイッチが入る音がして暖かい風が頭を撫でた。
「これくらい自分で」
「俺がしたいの、気持ち悪い?」
「そんなこと、ないけど……」
むしろ心地いい。頭を撫でる手とか髪を梳く手が優しい。ついついされるがままになってしまう。
「はい、終わり」
風が止んで離れた手を名残惜しく思ってしまった。
だがそう思ったのもつかの間、ちゅ、と髪にキスをされた。
慌てて飛び退く。最近スキンシップが多い、心臓が大きな音を立て始める。
「こういう事ばっかりするのやめろよな!!」
今絶対に顔赤い。恥ずかしい。恥ずかしい。
「俺の気持ちだから、受け取ってよ」
にこり、と微笑まれる。綺麗な顔で笑うな!! と叫びたくなる。顔も見れない。この間まではサングラスがあったからまだマシだったのかもしれない。
ああ、逃げ出したい。どうしてこんなに恥ずかしいんだろう。
これからやっていける気がしない、心の隅でそう思った。
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