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バイトを始めて一週間が経った。昼間はすることがないのが現状だが今日は食材の買い出しに夕方から出かけるつもりだ。
その時ピロン、とメッセージの通知音。開くと瑛さんからだった。
『本当に申し訳ないんだけど明日の8時までに終わらせなきゃいけない仕事が終わんなくて今日俺んちですることになちゃった!!』
『俺帰った方がいい?』
そう返すとものの数秒で返ってくる。
『帰らないで(>_<) バイトの人がいるって説明してるし、ベッドルームにもテレビあるしゆっくりしてて』
『了解』
そう返事して携帯をポケットへ戻す。ということは今日は生徒会の分の飯も作ればいいってことか。
役員は5名だったはずだ。俺の分は適当に済ますとして何にしようか。
荷物が重くなるのはめんどくさいし、冷蔵庫の中には鶏肉とケチャップがある。玉ねぎと人参も野菜置き場に置いてあるよし、オムライスだな。
財布をポケットの中に突っ込んで鼻歌交じりに買い物へ出かけた。
**
ちょうど飯もでき机に並べ終わった頃インターホンが鳴った。
瑛さんたちが来たんだろう。
ドアを開けて、すぐさま閉めたくなった。
一番前に立ってたのが非常に見覚えのある赤髪の男だったからだ。
「あ!! うわ〜これは運命だね!! 筒井君」
ぎゅ、と抱きしめられ鳥肌が立った。しかもさりげなく尻を触ってるぞこいつ!!
「はな、っせ変態!!」
振り切って突き飛ばす。そういやこいつも生徒会だったんだ。忘れてた。
良く見るとあの時助けてくれた先輩もいた。
「あ、君、入学式に南に尻揉まれた子じゃん!!」
茶髪で猫面の人に指をさされる。
「あれ筒井君の話だったの!!」
1番後ろからにいた瑛さんが俺に駆け寄ってきた。目が怒っているように見える。
首を傾げると無視されたのか他の人が見えないように立たれる。
「南、これ以上変なことするなよ」
「検討しとくね〜」
何とも軽い返事だった。全員普段から出入りしているのか勝手知ったる風にリビングまで歩いていく。
その背中を見送って溜息をついた。
「筒井君、ちょっとおいで」
有無を言わさない様子の瑛さんは俺を脱衣所に引き込んだ。
何だろうと彼を見上げていると掴まれたままの腕を引っ張られ抱きしめられた。
「な……」
体に火がついたように熱くなりはじめる。触れられた所から熱くなりじくじくと何かが溶けだしていきそうな気分だ。
「ちょ、どこさわって……」
気づけば瑛さんの手は俺の尻に伸びていた。
「南に触らせてたでしょ」
やわ、と表面を軽く揉まれる。ゾクゾクするのはさっきと変わりないのに何かが違う。何も考えられなくなる。
「真っ赤になって可愛いなぁ」
「ひっ」
耳元で囁かれた声に肩が揺れた。ああ、ダメだ。声が毒となって耳に流れ込んでくる。
離れないと、おかしくなってしまいそうだ。
「……っあきら、さん」
今度は彼の肩が跳ねて俺から体を離した。
「ごめん、お風呂先に入って」
「……分かった」
瑛さんはそれ以上何も言わず脱衣所から出ていった。思わずその場の座り込む。早鐘を打つ心臓を鎮めようと息を吐く。
「俺……どうして」
こんなに体が熱くて鼓動が早くて、あの声が、手が、目が――――
さっきのことを思い出しゾクゾクと背中を走るものがある。
「このままじゃ変になる……」
風呂に入って落ち着こう、ああもう、落ち着け俺!!
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