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side:宮原a かわいいきみに。
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パタンと閉まったドアを視線で追いかけて彼が持ってきてくれた麦茶を煽った。
「筒井孝弘君ね〜、可愛い子じゃん」
ははっと浜部が笑う。ニヤリと俺の方を見る。
「あっくんずるくない? 俺のほうが先に目つけてたのにさ」
「お前には彼女がいるだろ」
「ざっきーももうちょっと遊べばいいのに」
せっかくいい見た目してるんだからさ、と笑う。山崎はそれには答えない。
「料理も上手ですし、可愛らしいですしね、甘いもの買ってきてくれてるだなんて嬉しいですよね」
庶務の原が長い髪を耳にかけながら言った。あ、私食べたいんでとってきまーすとキッチンへ歩いていく。
「で、さっき何してたのさ?」
「いつのこと?」
とぼけてみせるけどわかっている。部屋に招き入れた後だろう。
自分でもびっくりしたんだ。南が筒井くんに抱きついているのを見てすぐにでも引き離したいと思った。
醜い嫉妬と独占欲だそこにあった。
脱衣所で抱きしめた彼は耳まで赤くなっていた。期待してしまう。
南が触れていたことに我慢ができなくて同じ場所に触れた。
彼が吐いた息が熱を孕んでいた気がする。こちらを見上げた目が潤んでいた。黒目がちの目がさらに大きくなってその瞳に俺が写っていた。
もし彼が名前を呼んでくれなければどうしていただろうか。
キスくらいはしてしまっていただろう。
「ま、南はあんまり変な事しないようにな」
「あっくん怖いしね〜、つまみ食いはしたいけど」
「絶対ダメだよ」
「会長顔怖いですよ〜、筒井君が買ってきてくれたシュークリームでも食べましょう。これ街のやつですよ。わざわざ買ってきてくれたんですかね」
箱を覗くとそのシュークリームには見覚えがあった。
以前俺が食べてみたいと話していたものだ。
覚えててくれたのか……
あーもう、かわいいなぁ!! なんであんなにかわいいんだろう。おれだけのものになってくれたらいいのに。
今頃何をしてるんだろう。寝たんだろうか。俺も早く一緒のベッドで寝たい。今日は髪を乾かしてあげられなかったし。
でも、あんなことしたし警戒されてるかな。どっちにせよ
「よし、これ食べたらさっさと終わらせよう」
仕事は早く終わらせなきゃね。
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