アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
ふれる指。かかる息。
-
「筒井ー!! 会いたかったよ」
「重い」
部屋から出てきたと思いきや三木はいきなり抱きついてきた。犬か。
「いいじゃん、とにかく入って」
背中を押され三木の部屋に入る。三木の部屋に来るのは初めてだった。
ところどころ散らかっている部屋は男子高校生らしいといえばらしいんだろう。
「暑かったでしょ、何か飲む?」
「水がいい」
500mlのペットボトルを投げてよこしてきた三木はオレンジジュースを持っている。
「で、話って何?」
いきなりか、思わず息を呑む。どこから話していいのかわかない。
「お前はさ、誰かに触れられて熱くなったりするか? 」
考えて出てきたのはこれだった。
「筒井にはそういう人がいるの?」
「ん、まぁ」
「他にはどんな感じ?」
「いてもたってもいられなくなる。そわそわするし、恥ずかしい、でも嫌じゃない」
「筒井、顔赤いよ」
「えっ!?」
指摘されて恥ずかしくなった。最近赤くなってばかりだ。それもこれも瑛さんのせいなんだ。
「他の人にされて嫌なこともその人なら嫌じゃなかった。これ、どういう事だ?」
「…………ぷっ」
三木が笑い出した。
「なんで笑うんだよ」
「かわいい、筒井本当可愛いね」
ひとしきり笑った後三木はそう言った。どこがだ。最近みんなそう言う。
俺が可愛ければ世の中にあるものすべて可愛いことになる。
「俺が思うにそれは恋だと思うよ」
こい……恋? 俺が、瑛さんに? まさか、だって、だって
「俺、男を好きになったことなんてないぞ」
「筒井の好きな人は男の人なんだね」
「あ……」
「その人だから好きになったんじゃない?」
その時、瑛さんの笑顔がうかんできて、きゅぅと胸が締まった。
どうしよう、ああ、俺……
「三木、俺……」
「自分の気持ちは認めてあげなきゃ」
そっとあたまを撫でられてこくりと頷いた。
好き、口の中でそっと呟く。俺が瑛さんを。あの人のことが。
顔が熱い。どうしよう、今日もあの人の所に帰るのに、変に思われたらどうしよう。
「筒井が恋するなんてね」
「俺だって驚いてる……」
「俺も今してるよ」
にこり、と三木が笑った。前見たいな奴じゃないよな? お前をちゃんと愛してくれる人じゃなきゃ、
「大丈夫、まだ片思いだし」
俺の想いを汲み取ってくれたのかそう言って笑った三木の顔は綺麗だった。
恋している人ってこんなに綺麗なんだと思った。いやきっと俺はこんなに綺麗じゃないだろうけど。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
94 / 106