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人道
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玲香はぎゅっと孝雄の服をつかみながら顔をあげた。目を腫らしたその顔は儚げで、涙がまだ枯れていないようだった。
「あのね、簡単には出来ないの。子供を堕ろすのは殺人みたいなものなの。」
孝雄は黙って彼女の言葉を聞いていた。孝雄は男だし、彼女と一緒になる前はセックスまで行くことの方が少な買った為、女性の体自体はよくわかっていない。堕ろすと言うのもTVとかでは節操のない未成年同士の性交(みんながみんなそうというわけではないが…)や未成年のそういう商売で失敗して妊娠してしまった時によく聞くな程度の知識だ。実際どうするのかとかは高校の時なんだか気恥ずかしくて聞いていなかったし、第一授業でやったとしてもだいたいは夢の中のため覚えている筈がない。
「まず器具で、赤ちゃんの出口を開くの。開いたら器具を中に入れて、赤ちゃんの頭を潰して、引きずり出す。」
孝雄は唖然としていた。そんな非人道的なことがあるのか、個人の都合だけでこんなことをできるのかと、またどこに向けていいのか分からない怒りというか苛立ちがこみ上げる。
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