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「はぁ…けほっけほっ…」
タバコの煙に巻かれながら、勝手口の戸を開ける。タバコの煙がドアから漏れるほどだった。やっと新鮮な空気を吸えたと言わんばかりにその場で深呼吸をすると、勝手口から表へ出る。『藤堂測量エンジニアリング』測量事務所の看板だった。道路向きに縦1m弱横1,5mほどの看板がたっているためすぐに分かる。
時間は夕方6時。大体終業時間だ。測量事務所には、社長だけが残り、後は先程まで藤堂竜馬と共に出て行った3、4人の従業員がいた。
「俺はいつもの店に行く。お前らもそれぞれ情報屋からやつの情報を聞き出せ。一刻も早くやらなけりゃお頭を危険にさらすことになる。」
従業員は頭を下げると、それぞれ別の区域へ向かって歩いていった。一人になった竜馬は一人で行きつけのバーへ行った。
「いらっしゃい。竜馬殿。」
「マスター。」
竜馬は親指をたて、立てた親指を後ろに向けて軽く指を降る。すると。マスターはくすと笑ってどうぞ、と一言いうと、竜馬に鍵を渡す。
「ありがとう。先客いる?」
「いません。」
「そ、わかった。ありがとう。」
短い会話をやり取りし、カウンター横のドアに鍵を差込みまわす。中はVIP席とでも言おうか、個室になっていてドアが二つ。いま竜馬が入ってきたところと、その斜め前にある扉だった。
「調子はどうですかね?若頭さん?」
2つ目の扉から先程店頭にたっているマスターより幾分か若いバーテンダーがでてくる。その手には書類と、竜馬お気に入りのワインがあった。
「やつの情報はある?」
竜馬は、お気に入りのワインを注いでもらうとワインのグラスをまわしながら聞く。
「エェ…不明な点は多いですけど。」
バーテンダーは書類を竜馬に渡す。竜馬は書類を受け取ると、困ったような顔をした。
「情報が上がってくるくらいだから、もっと凄い奴だと思ったんだが…戦力も未知数となると…」
「最近、怪しいと思っていたのですが…口が堅くてねぇ…なんとも…酔いませんし…」
バーテンダーが申し訳なさそうに言った。
もういっぱいは私のおごりです。と言わんばかりに相手のグラスへと鮭を注いだ。
「わかったよ。ありがと」
竜馬はそのワインを時間をかけてのむと、知った情報を脳に叩き込み、歩いていった。
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