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序章
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「ミナト君てさ、トナミに似てるよねぇ」
ある日クラスメートの女子に突然そう言われたのが彼を知ったきっかけ。
トナミ? 誰それと返しながら首を傾げれば、女子生徒は「えぇ!?」と声を上げた。
「知らないの? 今話題のアイドル歌手SAGINの神田トナミ君よ」
「ごめん、僕芸能人はちょっと……」
「うそっ、勿体無い! 今うちらの間でめっちゃ有名なんだよ? カラオケ行ってSAGINの曲歌えない奴は遅れてる~って」
遅れてるって……そんな事言われても困るんだけどな。
「SAGINってね、5人組の平均年齢9歳~ 15歳の男の子アイドルなんだけどさ、またその5人の経歴が凄くてね」
「う、うん」
「リーダーの蘭くんは新人だけど売れっ子俳優だし、メインヴォーカルの樹は可愛くてねぇ凄く歌うまいのよ。そんで悠太くんとシーナくんはイギリスでは有名なモデルだし」
目をキラキラと輝かせながらペラペラと説明してくる彼女に、僕は内心深い溜め息を付きながらうんうんと相槌を打った。
最後、話題の神田トナミの説明に辿り着いた時彼女の瞳の輝きは一層強さを増す。
「それでさっき言ってたトナミ。トナミはねぇグループ1の悪ガキで問題児でね、とっても可愛いの」
……ん?
今何か可笑しくなかった?
「あの、百瀬さん」
「なぁに?」
「今の僕の聞き間違いかな。物凄く矛盾した言葉を聞いた気がしたんだけど」
「何が?」
「グループ1の悪ガキで問題児で……可愛いって」
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