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「何でそこまでしてSAGINを売り込んでくるんですか。そこまで好きなの?」
「や、まぁ好きったら好きだけど別にファンとかじゃなくて」
「違うんですか?」
じゃあ何で? そう問おうとした時、後ろから「見つけた!」という声が聞こえて振り返れば、ぜぇはぁと息を切らしながら一人の青年が此方をギロリと睨み付けていた。
その姿を見るやいなや奴が「うげっ」と慌てた様にあたふたし始める。
「このっ、テメェッ……トナミぃ!!」
ドダダダッとまるで牛の様に此方へ向かって突進してくる青年に、トナミと呼ばれた彼は「ひぃっ」と声を上げてサッと僕の後ろへと隠れた。
「えっ、ちょっと!?」
何で僕の後ろに隠れるんだよ!?
ん? て言うか今トナミって……。
「トーナーミーィ!!!」
「うわぁっ待て待て待て貴文! 話せば短いけどちょっと待ってーっ!!」
「どぅあれが待つかこのクソガキが! よくも生放送に穴あけやがったなテメェ!!」
貴文と呼ばれた青年は僕の後ろに隠れたトナミさんをガーッと怒鳴り散らす。トナミさんはトナミさんで半泣きになりながら「だってぇ」と繰り返し言っていた。
「あ、あのぉ~……」
僕を間に挟んだまま喧嘩しないでくんないかなぁ……。
「えっと、何があったか知りませんが僕を挟んで言い合いしないでもらえません?」
はいはーいと挙手して言えば青年は 「あっ」と気付いて僕から数歩放れてごめんと頭を下げた。
「ごめん勢いあまってつい……」
「ひっどいんでぇ貴文」
「お前が言うかぁ~!?」
「だーかーら」
ったく━━━━。
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