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再会
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何日か過ぎ、大学は夏休みに入った。
大学の夏休みは長い。まだ学校のある学生や仕事に向かうサラリーマンを横目に優斗はバイトに向かった。
優斗は入学金は奨学金だが、学費は優秀なことから大学からお金が出ていてタダだった。でも生活費が家から仕送りで送られてくることは少なく、ほとんど自分のバイト代で生活しなくてはならなかった。
だから毎日の様にバイトを入れている。
夏休みに入ってもいつもと変わらないバイト三昧の日々。時々歩夢や大学の友達と遊んで何日か過ごした。
そんなある日コンビニのバイトを優斗はしていた。いつもと変わらず商品を並べたり、レジを打ったりしていると誰かが自分を呼ぶ声が聞こえた。
「あれ?もしかして雅希の兄貴?」
声がした方を振り返ってみると、背の高い高校生が立っていた。けれど、誰だか思い出せない。
「えっと確か優斗先輩でしたよね?あれ?もしかして違いますか?」
よく見てみると見たことがあるような気がしなくもない。
「うん、そうだけど。えっと…」
「あーやっぱわかりませんか?俊です。ほらよく小学生の時とか中1の時良く遊びに行っていた。」
ーー俊?もしかして…
「え、もしかしてあのちっちゃくてサッカーうまかった?よく夜ご飯一緒にたべたりとかした俊くん?」
「そうですその俊です。」
「うそ!!すっごい身長伸びてるし、なんか大人っぽくなってて全然気づかなかったよ。」
「たしかにあの頃から20cm以上伸びましたからね〜」
今目の前にいる俊は175cmは優に超えている。
ーーあの頃は150cmを少し超えたくらいで、ちっちゃい弟ができたみたいだったのに。
「それにしても優斗先輩はあまり変わりませんね。でも最後に会ったのが優斗先輩が高2の頃だったし、そんなに変わらないか。」
「俊と違って身長もあの頃からあんまり変わってないからな(笑)」
わざと冗談で嫌みっぽく言ってみる。
すると俊は笑って
「違いますよ。相変わらず綺麗な顔してるってことです。あ、でもたしかに身長も変わらないかも(笑)今じゃ俺の方が大きいですね。」
なんて、あの頃と変わらない顔をくしゃっとした弾ける笑顔で言った。
「見た目は変わっても中身や笑顔はそのままなんだな。なんか安心した。」
ーーそういえばなんで俊はここに?高校がこっから近いのか?
「俊って学校がここの近くなのか?」
「ん?違いますよ。今日で学校が終わりだから、受験勉強の息抜きに遊ぼうってなって、その途中でたまたま。本当びっくりしました。」
ーーそうか。もう高校生も夏休みか。受験勉強ってことは、俊もマサも受験生なんだな。
「てか、俺、雅希と同じ高校ですよ?あれ?雅希から言われてないんですか?」
「そうだったのか。知らなかった。」
優斗は家に帰ってないだけでなく、年に1度送られてくる仕送りで手紙を送り合う程度しか連絡をとっていない。
「あ、優斗先輩。友達が呼んでるのでそろそろ行きますね。バイト頑張ってください!久しぶりに会えて嬉しかったです。」
「あ、うん。俺も会えて嬉しかった。受験頑張れよ。」
俊は笑顔で手を振りながらコンビニから出て行った。
ーー俊くんみたいにマサも大人っぽくなってるんだろうな。
日付を見ると7月20日。
明日は雅希の誕生日。
ーー明日ケーキでも買おうかな。
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