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罰と言う名の復讐3
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***
母親が家を出て行ってから、過ごした数年間は、ただ母親が居ないだけで幸せな家庭だった。
父親は大抵必ず定時で帰宅して、世話をしてくれたし、父親がいない時は優斗が雅希の面倒を良く見ていたし、雅希も優斗の言うことを素直に聞いていたし、何より優斗が大好きだった。
けれどその幸せもずっと続くものじゃなかった。
事の発端は優斗が6年生になりになり、雅希が2年生の頃。
2人でアルバムを見ていて、たまたま見つけた写真がきっかけとなった。
その写真には母親らしき人と赤ん坊と知らない男の人が写っていて、裏には、"雅希へ"と書かれていた。
「ねえ、兄ちゃん。この写真の人誰だろ?」
写真にうつっている男の人は細身で、割と整っている顔をしていた。
「うーん、誰だろうね。見たことないよね。」
ーーでもこの人なんか少し…
「今日パバが帰ってきたら聞いてみようかな!」
雅希はワクワクしながら言う。
「そうだね。じゃあ、夜ご飯食べる時に聞いてみようか!」
何も知らなかった優斗は笑顔で返事をする。
「うんっ!」
雅希もニコニコしながら、「早く帰ってこないかな〜」と待っていた。
この写真1枚で日常が変わってしまうなんて、この時の2人には想像も出来なかった。
(ーーあの時、あの写真を見つけなければ…父さんに聞いていなければ、と何度も俺は後悔した。)
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