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分からない
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雅希side
見たかった表情を浮かべる優斗を見たのに、込み上げてくるものは喜びじゃなく、やっぱりさっき感じた胸の痛みだった。
ーー頭冷やしたのに…
涙を流す優斗に手を伸ばすとビクリと震えられる。
その反応に胸がチクリと痛んだ気がした。
手を引っ込め、身体は拭かれていても気持ち悪いだろうからと思い、雅希は優斗に声をかける。
「痛くて動けない?」
「……平気」
「でも起き上がられてない」
「……平気」
「風呂まで行けるのか?無理だろ?」
「……平気」
「平気」としか答えない優斗にイライラが募る。
「じゃあ、今風呂まで自分で歩けよ。気持ち悪いだろ?身体洗ってこいよ」
冷たく言い放つと優斗が震えが大きくなるのを感じられた。
動きだそうとしない優斗に「早く」と強く言うと、ビクリとしてから急いで立ち上がろうとするけれど、起き上がれる訳もなく布団に戻ってしまう。
「無理じゃん。無理なんだろ?」
ギロリと睨むと小さな声で「ごめん」と優斗が言葉を発する。
あんなことされたんだから当たり前だし、理不尽だと分かっているけれど、さっきから襲われる訳のわからない気持ちにイライラしていて、それを優斗に八つ当たりしているのだとわかっていた。
ーー情けねえ。ガキかよ俺。
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