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訪問
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リビングに案内しお茶だけ用意して部屋に戻ろうとすると、手を掴まれた。
「……なに?」
動揺していることを見破られないように、落ち着いた声で冷たく突き放す。
「あの…この前は色々すいませんでした。許してなんて言わないけれど、謝りたくて。雅希に会いに来たなんて嘘なんです。俺…どうしても謝りたくて。」
ーーこの手って…
優斗はふとこの手に覚えがあるような気がした。
「いいよ別に。気にしてない。」
手を振りほどこうとすると、強く握られる。
「いたっ…」
腕に走る痛みに顔を歪めた。
「…離して。本当気にしてないから。」
「嘘でしょ。こんなに震えてる。」
「それはお前が…っ」
すると急に腕を強く引かれ、ソファーに寝っ転がった雅希の友達の上に覆いかぶさるような形で倒れこんでしまう。
その場を退こうと手足に力を入れるけれど、強く抱き抱えられて動けない。
「離せっ…離せってば」
手足をジタバタと動かしても、背の高くて体格のいい彼には敵わなかった。
ーーなんで…なんで同じ男なのに敵わないんだよ…どうしてこんなことするんだ…
悔しさとやるせなさに、大分精神の弱っていた優斗は目に涙を浮かべる。
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