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「そういえば、君名前は?」
まだ聞いてなかったと思い出し、優斗は聞いてみた。
「あ、すいません。自己紹介遅くて。進藤 誠って言います。雅希とは同じクラスです。えっと…もし許されるなら、仲良くしてください。」
そう言った後、手を差し出してくる。
「俺は、優斗。大学四年。よろしくね。」
ゆっくりとその手を握り返すと嬉しそうに笑いかけてくる。
ーーやっぱり少し似てる。
誠は背が高い。雅希と同じくらいか、それよりも少し高い。だけど雅希より体格が良いから、より大きく見える。顔もそれなりにかっこよく表情豊かで、明るいから、クラスの中心的存在ぽいなと優斗は感じた。
じっと顔を見つめられてることに気づいて、不思議に思い誠を見つめ返すと、焦ったように誠が笑う。
「すいません。やっぱりすごく綺麗だなって思って。」
そういって頭を撫でてきてから、鎖のついた足を触ってきた。
「いたっ…」
優斗の声に「やっぱり」と、返される。
「この足枷、ずっと外してもらってないんですか。」
「いや…お風呂の時は外してもらってるけど。」
「これ、ずっと同じ足につけてるから、床擦れ?みたいな感じで跡がついてる。」
そう言われて見てみると、足首に枷の跡が赤くくっきりと付いていた。
「あ、痛いと思った。」
だけど改めてこの状況を考えると、弟と同い年の高校生に自分のこんな姿を見られていると考えるといたたまれなくなってくる。
「救急箱ってありますか?」
「あ、うん。」
救急箱の在りかを教えると、少し経ってから、救急箱を抱えて戻ってくる。
「失礼します。」
それから手際よく消毒をしてから包帯を巻いてくれた。
「…ありがとう。手際いいんだね。」
「俺も運動部入ってて、怪我すると手当してたから。」
誠が本当にいい人だと分かってから、襲ってきていた睡魔がだんだんと強くなって、瞼が重くなってくる。
それに気づいたように「寝ていいですよ。」と優しく言ってくれた。
「ん…ごめ…ん…」
優斗はそのまま吸い込まれるように眠りについた。
「やっぱり綺麗だな。いい人だし、すごく気になる。好きになっちゃったらごめんね、優斗さん」
誠は優斗の頬に、そして額にキスを落とした。
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