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【オマケ小説】今若夫婦と木日夫婦の過去
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【特別長編 おまけ小説】
※旦那組の会話のみで殆ど動きはありません。
それでもOKな方のみご覧下さい。
旦那似の着ぐるみを選んだ後は、それぞれ買いたい物を買いに別々に行動する事になった。
嫁達は数人の班に別れて買い物を続ける。
その後ろには、旦那達が後を追っていた。
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【青桜+今若】今吉と若松の過去
若松と桜井は引き続きベビー服を見ていた。
数枚の服を腕に掛けながら、可愛いものの基準が分からない若松は、桜井に相談しながら服を選んでいる。
そんな嫁達の後ろ姿を、青峰と今吉はソファーに腰掛けながら眺めていた。
「……こういう所は煙草が吸えんからキッついなぁ…。」と少し口寂しそうにする今吉に、青峰は昔から疑問に思っていた事を聞いてみる事にした。
「…今吉サン…前から聞きたかったんすけど…」
「…なんや?青峰…」
「…もしかしてなんすけど…今吉サンって、良の事好きだったんじゃないんすか…。」
その問い掛けに、今吉は少し間をあけて答えた。
「……なんでそう思うんや?」
「……高校の時から、良を見る目が違うんすよ…。…良と話す時だけ、あんたのその目が優しくなる。」
今吉はカチリ、と静かに眼鏡を押し上げると「……せやったら…」と言葉を発して、閉じていた瞳をスゥッと開いた。
「……もし、ワシが桜井を好きや言うたら、お前はどーするんや…青峰…。」
「……あんた…若松サンを裏切る気なのか…。」
青峰の瞳は細められ、鋭い光を宿す。
二人は数秒間睨み合うと、今吉がフッと笑って目を閉じた。
「…安心せぇ。…今更、桜井に手ぇ出したりせーへんわ。」
「…当たり前だろ。いくら先輩でも良に手出ししたらぶっ殺すぞ…。」
「…敬語、無くなってるで。…まぁ、えぇけどな。」
「…あんた…若松サンの事…本気じゃねーのか…?」
「……勘違いするな。…ワシはちゃんと孝輔の事は愛しとる。…せやから、子供も造ったんや。」
「…そうだよな…。」
今吉が今も桜井を好きな上に、子供まで身篭った若松をなんとも思っていなかったら、流石に若松が居た堪れなかったと、安堵の溜息をついた。
「…若松サンとはいつから付き合ってたんすか?」
「……何時からとか、よう覚えてへんわ…。」
「…は?…それって、どーゆう意味っすか?」
「………ワシは孝輔をレイプしたんや…。」
「……レイプって……」
青色の瞳が見開かれて、今吉を見つめれば、彼は糸目を更に細めてニンマリと笑った。
「…驚いたか?」
「…そりゃ驚くっスよ…」
「…せやなぁ。強姦魔が今は夫になってるんや、驚いて当然か。」
ククッと喉を鳴らすと、視線の先にいるクリーム色の頭をジッと見つめながら口を開いた。
「…ワシは確かに桜井が好きやった…。けどな、桜井が想いを寄せていたんは、青峰…お前やったんや…。」
「…お前がキセキとの葛藤に苛まれて、桜井に冷たく当たっても、桜井はお前の側におった…。ワシがどんなに甘く囁いても、桜井は首を縦には振らんかったんや…。」
「…せやから、ワシはその鬱憤を孝輔で晴らしてた…。ワシを好きな孝輔の気持ちを利用して、嫌がるあいつを無理矢理組み敷き、何度も犯したんや…。」
「…最低やろ?」と同意を求めるその顔は、どこと無く辛そうにみえて、青峰は「…今吉サン…」と小さく呟いた。
「…孝輔は不器用やけど、健気なええ子や…。たった一言、好きやと言ってやれば、疑う事のない信じ切た笑顔を向けてくれる…。…冷たくすれば、不安になって必死に尽くしてくれる…。分かり易い子や…。」
「…それであんたは、健気な若松サンを騙してジワジワと落とし入れてったのかよ…。」
呆れた様に青峰が溜息をつくと「…騙してなんかおらへんで。」と今吉が訂正した。
「…確かに最初は偽りの愛情やったけどな、今はほんまモンの愛情や。…アイツをどう泣かせて可愛がってやろうかと、毎日そればかり考えとるわ。」
「……なんか、若松サンが気の毒になってきた…。」
「…しゃーないやろ?孝輔は泣き顔が1番可愛ええんやからな。…青峰かて、桜井の泣き顔に興奮するゆーてたやないか。」
「興奮するとは言ってねーよ!グッと来るって言っただけだ!」
「………同じやないか…。」
納得いかない目を青峰に向けると、カシャリとノンフレームの眼鏡を押し上げた。
「……まぁ、ええわ。…兎に角、意地悪や性的に追い詰めて泣かすんは楽しいからええけどな、辛い想いをさせて泣かすんはあかんで。」
「……もし、桜井を辛い目に遭わせたら、ワシが攫って行ってまうからな…。」
「泣かせねーよ!!ってか、アンタには若松サンがいるだろーがっ!!」
「…2人おったら、両手に花で最高やんな?」
「両手に花じゃねーよ!この腹黒狐!!…良はゼッテー渡さねーからなっ!!!」
「…まぁ、せいぜい桜井に嫌われん様に気張りや…」
「…上等だコラァ!」
少し離れた場所から、ギャーギャーと騒ぐ声が聞こえて、桜井と若松は振り返る。
「……なんか、2人共すごい騒いでるな。」
「……本当ですね。…あんなに楽しそうに、何を話しているんでしょう?」
「…昔の想い出話しとかじゃねーか?」
「…きっとそうですね。」
「…お、桜井、この服なんかどーだ?」
「…あ、それ可愛いです!」
空気の読めない、泣き顔の可愛い嫁達の買い物はまだまだ続く……。
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【黄笠+木日】木吉と日向の過去
黄瀬夫婦と、木吉夫婦はバス用品のコーナーに来て、石鹸や温度計などの小物を見ていた。
通路がやや狭いため、旦那組は通路端の角に身を起き、嫁達を見守っていた。
「……そう言えば、黄瀬と会うのは結婚式以来か?」
「…そうっスね。…あの時は来ていただいてありがとう御座いました。」
「…いや、いいって。俺達も海外旅行に行けて楽しかったしな。…しかし、豪華ないい式だったな。」
「…木吉さんと日向さんは結婚式しないんスか?」
「…うーん…結婚式と言うか…真似事みたいな事はしたな。」
「……真似事っスか?」
「……あぁ…。」
木吉は頷くと、何処か懐かしい目をして語り出した。
「……俺はじーちゃんとばーちゃんに育ててもらったんだけどな、…俺が大人になる頃には、2人共かなりの高齢になってたんだ。…そんなある日、ばーちゃんが体調を崩して寝込んじまってな…。」
「…その時、呼び出されてこう言われたんだ…。『…鉄平、私達はもう長くは生きられないわ。…だから日向君と一緒になりなさい。』ってな。」
「…それって…おばーさん達は…」
黄瀬が驚いて木吉をみると「……あぁ…。」と頷いた。
「…ばーちゃん達は、俺と順平が付き合っている事を知ってたんだ。」
「…だから『怒らないのか?』って聞いたら『…日向君ほどあなたを理解し、支えてくれる人はいないでしょう?』って笑ってた。」
「…優しいおばーさんなんですね。」
「……本当に優しい人達だったよ。」
(……だった…?)
過去形の言い方に疑問を覚えたものの、黄瀬は口を挟まずに話を聞いた。
「…でも、最後にお願いがあるって言われてな。」
「…なんスか?そのお願いって。」
「……死ぬまでに、俺と順平の結婚式が見たいって言われたんだ。」
「……結婚式って…。」
男同士の結婚を受け入れてくれる式場は殆どなく、相手にすらされない。
黄瀬は経験上、その事を痛いほど知っていた。
「……何軒も式場を回ったけど、全て門前払いさ…。高い式場なら受け入れてくれる所もあったけど、働き出したばかりの俺達にそんな金なんか無かったんだ…。」
「……だから、家で結婚式の真似事をする事にしたんだよ。」
木吉の瞳が昔を懐かしむ様に優しい光を宿す。
「…リコに手伝ってもらいながら、子供の誕生日会みたいに輪っかを作って吊るしたり、折り紙で沢山のハートを飾ったり…それから奮発してデカイ苺のケーキも買ったりしてな。」
「……それから2人で新品のタキシードを着て、じーちゃんと寝ているばーちゃんの横で、雑貨屋で買った安物の指輪を交換したんだ…。」
「……そうだったんスか…。おばーさん達、喜んでくれたでしょうね。」
「…あぁ、2人共、泣きながら『おめでとう、ずっと幸せにね…』って祝福してくれたよ。」
嬉しい想い出を語っているはずなのに、木吉の顔が暗くなる。
「……木吉さん?」
「……でも、ばーちゃんはその10日後に息を引き取ったんだ…。じーちゃんも、ばーちゃんの後を追う様に半年後に亡くなっちまった…。」
(……過去形だったのは、亡くなってしまったからだったんスね…。)
「…結婚式の真似事でも、おばーさんとおじーさんの願いが叶って、きっと嬉しかったと思うっスよ。」
黄瀬が笑いかければ、木吉も笑顔になった。
「…そーだよな、俺もそう思うよ。……ただ、1つだけ心残りなのは……、これから産まれてくる孫の顔を見せてやれなかった事だよな…。」
2人の視線が、日向の丸いお腹に注がれる。
「…それは仕方が無い事っスよ。…まさか俺達に子供が授かるなんて、神様だって思わなかったでしょうしね。」
「…確かにな」と木吉は笑った。
「…子供が産まれたら、2人の墓に挨拶にでも行くさ。」
「…それがいーっスよ。」
少し間を置いて、黄瀬が口を開いた。
「……もう一度、ちゃんとした結婚式を挙げる予定はないんスか?」
「…俺も今なら式場で挙げられるぞ、ってそう言ったんだけどな、そしたら順平に怒られちまったよ。」
「……怒られた?」
「…あぁ。『俺達はもう、結婚式挙げただろ!式は1度で十分だ!』ってな。」
「…流石に指輪は安物でボロボロになっちまったから、子供が出来た時に買い換えたけど…、順平は未だにその古い指輪も大切に取って置いてくれてるんだ…。」
「……日向さん、めっちゃ良い奥さんじゃないっスか!」
「……黄瀬、順平はやらんぞ。俺の嫁だ。」
「いや、要らないっスよ!?…俺は幸男さん一筋っスから浮気はしないっス!!」
「…ならいいが…。」
「…行き成り何を言い出すんスか、もー!」
思い出話が一段落すると同時に「…おい、鉄平!」「…涼太、ちょっと来いよ。」と名を呼ばれて「…おう、何だ?」「…はい、今行くっス!」と返事をして愛する嫁の元に向かった。
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