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職権濫用
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そう、わかっているじゃないか。この人たちには、何も通じない。
俺が、平凡な日常を望んでいても、この人たちに許されなければ、それは叶わない。なんて、理不尽。
だけど、俺はどうしても目立ちたくない。
「あの……もし、俺が生徒会に入るって言ったって、選挙とか必要ですよね。ふ、普通に考えて。」
そうだ。普通は、生徒会っていうのは、選挙をして全校生徒の信任を得て、初めて就任出来る、特別な組織だろう。
そんな一生徒が、入る、って言って入れるようなところではないはずだ。
この人たちだって、そのような学校の決まりまで覆せるほどの権力はないはず……
「やーだーなー、シマたん!そんなのおれたち生徒会のハンコさえあれば、何とかなるんだよん。」
「そうですね、庶務ってことなら、私たち生徒会の承認と、顧問である先生の承認があれば、問題はないでしょう。」
「俺、あの顧問の弱味握ってるー。あの先生ねー___」
「翼、わかったから。それ、言ったら、あの先生可愛そうだから。」
………
「とういうことだそうだ。うちの生徒会は、優秀な奴らが多いだろ?」
おい、会長。
こういうのを、職権濫用って言うんだよ。
そして、顧問の先生さま、何兄先輩に弱味なんて握られてるんですか。
もう、本当にこの人たちと関わりたくない。
怖い、もう全体的に怖い。
はぁ、昼休み終わりそう。もう、教室帰りたいんだけど……
「まあ、唐澤。とりあえず、今は返答は聞かない。放課後、またここに来い。なんで、お前を生徒会に入れたいか、説明してやるから。」
あ、何だか、解放される雰囲気。
でも、放課後、またここに来なきゃいけないのか。
授業終わった瞬間に、急いで教室を出て、寮に帰ってしまおうかな。衛には、やらなきゃいけないことがあるとか言って、悪いけど先に帰ってしまおう。
うん。いい考え。
「あ、ちなみに、もし待っても来ないようなら、さっきと同様に教室に迎えに行かせたり、最悪寮まで迎えに行かせるからな。目立つぞ、かなり。」
ひどい。
そんなの、嫌に決まってるじゃないか。
もし、教室まで来られたら、まさに変な噂が立つ。寮に来て、俺の部屋を訪ねて来たのを、誰かが見たら、これまた変な噂が立つ。
俺に、選択肢はないってわけか。
「うぅ……ちゃんと来ますよ。」
こう答えるしかないよな。
あー、その会長のドヤ顔、はっ倒してやりたい。
それにしても、なんで俺は、こんなに生徒会役員の皆さまに付きまとわれているのだろうか。
それは、今日の放課後来ればわかるってか。
「じゃあ、失礼しました。」
うん、この人たちに段々慣れてきた。
この人たちは、きっと物凄い権力の固まりと考えて、5人で1つと考えて、こう一種の個体として考えれば、さほど緊張しないな。(ひどい)
俺は、送っていくと言ってくれた三池先輩(個体No.3)の提案を丁重にお断りして、生徒会室を後にした。
教室に向かう途中、衛になんて言って、放課後生徒会室に行くべきか考えていた。
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