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宝探し
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俺が生徒会を後にして、寮に帰ると、俺の部屋の前に衛がいて、座っていた。
俺が近付いたのに気が付いたのか、片手をあげた。
「よっ。」
「衛じゃん。自分の部屋で待ってればいいのに。」
いつからそこにいたのかわからないが、部屋で待ってれば、俺が帰ってきたことくらい音でわかるだろう。
それに、メアドだって朝に交換したんだ。
メールしててくれれば、こっちから行くのに。
俺が部屋の鍵を開けて入ると、衛もそれに続いて入ってくる。
そして、指定席と言わんばかりに、ソファーへ座った。
俺は、寝室に言って鞄を置いてきた。
リビングに戻ると、さっきまでと打って変わって、衛が真剣な顔をしていた。
「なあ、志真。お前、生徒会と何か関わってるわけ?」
「へ?」
突然、衛から言われて動揺してしまう。
そうだった。衛には、まだ何も話していなかった。話そうと思ったけど、やめたんだ。
「さっきクラスのやつと会ったとき、お前のこと言ってた。今日の昼休み、生徒会の人がうちのクラス来たって。もしかして、今まで生徒会室にいたのか?」
何だろう。
ちょっと衛の言い方に棘がある。
イライラしてるというか、ピリピリしてる。怒っているのかな。
いや、俺だって、何度も衛に言おうかどうか迷ったよ。でもさ、言うタイミングが無かったっていうか。
困ったな。まさか、そんなにピリピリさせるようなことだったのか。
俺が黙ってると、衛はため息をついた。
「まあ、今回は俺もいなかったから、話すタイミング無かっただろうから、仕方ないわな。だけどさ、とりあえず、今まで起こった生徒会関係についての全部話してくれね?」
俺は今まで起きたことを全て話した。
「で?その宝探しの勝負を受けたと?」
「うん。俺、探し物得意だから。」
衛の本日二度目のため息。
「あのね、志真ちゃん。高等部の新入生歓迎会の宝探しは、中等部でも有名でね。みんな、宝を探し出そうと、色々情報集めたりする作業を約1年前からやってる奴らもいるわけよ。」
そんなに有名な行事なの、この宝探し。
1年前から情報集めて、一体何がわかるんだろうか。
隠す確率が高いところとか?隠されやすいところとか?
俺には、よくわからない。
「何で、そんなにみんな宝を見つけ出したいかわかる?」
え。
確かに、宝って言っても、本当に金一封が入っているのは、ちょっと教育の場としてどうかと思う。
かと言って、何かくだらないものだったら、そんなに躍起になってやらないも思うし。
「宝を隠した人に、1つだけお願いが出来る権利。見つけた人に与えられるんだ。」
お願いが出来る権利?
何だそれ。そんなの貰って誰が嬉しいって言うんだよ。
俺は、衛が言ったことに何となく納得がいかなかった。
「まあ、とりあえず今は、その宝を何としても見つけたいグループが2つあると思ってくれ。そのグループについては、後で説明するから。ところで、志真は、この学園の高等部の生徒何人いるか知ってる?」
高等部の生徒?
うちのクラスは、31人いる。単純計算で、1クラス30人として、E組まであるから……
「450人くらい?」
「もっとだよ。A組は、特別だから30人編成だけど、その他の4クラスは、40人いるの。だから、高等部の生徒合計約570人。」
「嘘……そんなにいるの。」
この学校そんなに生徒いて大丈夫なの?
それとも、俺の感覚がおかしいのかな。
俺、中学の時、4クラスしかなかったから、多いって思ってしまう。
しかも、ここ幼稚舎からあるんだろう?道理で敷地が広いわけだよな。
素直に感心してしまった。
「まずね、志真ちゃん。570人のうち生徒会執行部と風紀委員の何人かが抜けたとしても、約550人と宝探しやるわけだよ。」
「うん。俺、凄く自信無くなってきた。」
そんなの聞いてない。
だって、俺この学園に来て、まだ2日しか経ってないし、そんな情報知らなかった。
今から、生徒会室に言って、条件取り消してもらうか。でも、男に二言は無いとか言ってたよな、会長。
衛なんて、もう呆れ返ったのか、真剣な顔から諦めた顔になってるし。
「困ったんだけど、衛さん。」
「これからもっと困ること説明していい?」
衛さんは、容赦がないようだ。
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