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バレーボールとバスケで山河がとんでもない件について。
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バレーボールの試合会場に着いた時、すでに試合は始まっていた。
1D 対 2A
なんと、翼先輩率いる2Aと、山河率いる1Dというこちらもこちらで、大変なことになりそうな試合だ。
体育館の温度は、外の倍くらい熱かった。
熱気ってやつだ。
体育館に足を一歩踏み出して、俺と会長は目を見合ってため息をついた。
「あっ!ヒロくん。志真くん。遅いよ。何してたのー?」
体育館に入って出来れば誰とも会わないように、2人でコソコソと応援している人の後ろを通っていたら、衛と風紀委員長が端の方で立って見ていた。
風紀委員長、衛、俺、会長の順に横に並んで観戦する。
試合は、第1セットも終盤に差し掛かっていた。点差は1、2点差と接戦だ。
「志真ちゃん。」
「……なに?」
「ごめんね。」
「は?」
衛が突然脈絡無く謝った。
俺は、訳が分からず衛を見つめる。
「さっきのこと……忘れて。」
ああ。そのことか……
「……わかった。ていうか、今の試合状況は?」
無理だろうな。
きっと、衛も俺もさっきのことを忘れることはない。
それを衛は理解して言っている。
「翼先輩と山河の目立ち対決が見所。昨日で確立した山河ファンと、翼先輩の親衛隊、ファンクラブの応援合戦だよ。明らかに、あそこにいる生徒会役員さまたちに向けてのアピールだね。」
そう言って、衛は何だかそこだけ異様に空気がキラキラしているところを指差した。
そこには、俺たち4人を抜かしたいつものメンバーがいた。
周りでわいわいきゃーきゃー言っている人たちは、明らかにキラキラ集団を気にしていた。
会長がここにいることに、気がつかないくらいには。
気付いた時が大変だな……
状況的に俺が1番邪魔だもんな。
衛も、なんやかんやで人気出てきてるし、来月からは親衛隊とか出来るんだろうな。
もうレベルが違うよ。
ピーッ
という笛の音で、我に帰って得点板を見ると、27-25で第1セットを2Aが取っていた。
「おっ!翼先輩のとこが勝ってる。」
「なんだ。お前、山河の応援はしないのか。」
会長がそう言ってくる。
会長は、俺と山河が仲良い事に疑問を持っていたからな。
嫌味なんだろうけど……
「翼先輩応援しますよ。山河が活躍すると、何だかイラつくので。」
「……お前と山河は、仲良いんじゃないのか?」
「少なくとも、俺と衛のような関係では無いですよ。」
なかよしではない。
でも、仲が悪いわけでもない。
強いて言うなら……
「合理的な仲ですよ。」
「その、合理的なって部分が気になるんだが、またお前と言い合いになるのも嫌だから、今は聞かないでおいてやるよ。」
「お気遣い感謝します。」
バレーボールは、2セット先取だったわけだが、その後のセットで1Dが取り、結局最終セットで山河率いる1Dの勝利が決まった。
山河は、周りとハイタッチなんてしてる。
そして、そのまま今度はバスケの試合へ向かった。
悔しいけど、最後の山河のスパイクはカッコよかった。コースはストレート。
俺は、山河と目があったけど、心底嫌そうな顔を心掛けた。
すると山河は、肩を竦めて笑っていた。
バスケの試合は、1D 対 3A。
ここで、アクシデントが起こる。
「おーい!京谷!悪い、村上が気分悪くなったっていうから、代わりに出てくれない?」
そう3Aの人が言いに来たのだ。
そんなことしたもんだから、会長含め俺たちは全校生徒に居場所がバレてしまった。
仕方がないので、俺と衛と会長は、キラキラ集団と合流する。
「シマたんたちいたなら、言ってくれれば良かったのにー。ということで、俺と京ちゃんで、りっくんたちの連勝止めてくるね!」
なんて言ってミケ先輩は行ってしまうし……
というか、この人もさり気なく決勝まで残ってたんだ。
柔道部とか言ってたよな?
なんだろう。柔道部で球技が出来るってなんか反則。(偏見です)
ということで、急遽風紀委員長も試合に加わり始まった。
……で、試合が始まってからというものの。
「なあ、夢野。」
「……なんでしょう。」
「あいつって、性格悪いよな。」
「……それは、自分より会長の方がご存知かと。」
というのは、風紀委員長のことだ。
さっきから、山河に出されるパスをカットしたり、パスを出させないようにするとか、なるべく山河にボールを触らせないようにしている。
「でも……山河、挑発に乗りませんよね。」
「ああ。なんか、ムカつくけど、あいつも相当色々な場数踏んでんだろうな。」
明らかな風紀委員長の挑発に、乗らないで味方の援護をしまくる山河。
ここで、イラついたりしたら、風紀委員長の思う壺だ。
そして、山河は自分にボールが回ってきたら、確実に決めているのだ。
至って冷静。
山河が凄い。
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