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三年後のクリスマスイブ
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この3年で変わったことがいくつかある。
僕は各務さんと同じ大学に進んで二年生になったこと。
各務さんは大学院へ進み、尊敬する教授の元で研究をしていること。
茗と凌一が付き合い始めたこと。茗は『潤のお済み付きじゃないとあたし無理だし、長い付き合いだし、お手頃だし』と言っている。けれど、僕が各務さんを好きなのと同じくらい凌一のことを好きなことを僕は知っている。だって、凌一を見る目をみればすぐに、ってこれは僕も3年前に茗に言われたことだっけ。
他には各務さんと喧嘩するようになった。彼と同じ大学へ進んだために、彼が先輩後輩関係なくモテているのをこの目でみるようになって。僕が焼きもちやいて拗ねて、そして喧嘩。でもすぐに寂しくなって『ごめんなさい』と僕が連絡してしまう、の繰り返し。各務さんは『拗ねる潤も可愛いからなぁ』といつも笑っているので、もしかしたら喧嘩になっていないのかもしれない。
それから「好き」から「愛してる」と言うようになったこと。それもここ数ヵ月で僕が言い始めた。だって、僕が二十歳になってのクリスマスイブが、今日だから。
「各務さん」
待ち合わせ場所でモデルのように格好良く立っている各務さんを見つけて駆け寄った。
夜7時。でも、クリスマスイブというイベントに関連して周囲は光輝き、カップルの姿も少なくない。
そんな中で一人で立っている彼に注がれる視線も少なくなかった。
熱い視線を送る彼女達に心の中で謝罪する
―――ごめんなさい。彼は僕の彼氏です。…今はまだ。
「潤」
各務さんが笑んで呼び返してくれる。
「待たせてすみません、各務さん」
「いつになったら、名前で呼んでくれるのかな?」
「もうすぐ、です」
笑ってそう返す。
出会ってから各務さんと呼び続けて4年。今さら変えるのは何となくこそばゆい。
キスで想いを伝え合っていた3年。それでも、分かったことはある。僕がどれだけ各務さんのことが好きなのかということ。それからキスはとても気持ちが良いこと、キスだけで充分イけること。
―――僕達が今だにキス止まりの交際なのは変わらない。
「じゃあ、行こうか」
二人で各務さんの住むアパートへと向かった。
何度も来たことのあるアパートに到着する。その扉を開ける鍵は、キーケースについていた。それは僕が3年前のクリスマス、の翌日に贈ったプレゼント。当時からこのアパートに住んでた各務さんは鍵に何もつけずにパスケースの中に入れるだけ、という管理をしていたから。
綺麗な状態のキーケースを見るたびに大事に使ってくれていることを感じて嬉しくなる。
かくいう僕も、3年前に貰ったマフラーを今日も巻いていた。
開錠して部屋の中に入ると、各務さんは暖房をつけた。僕は彼に促されてマフラーを外しコートを脱いで炬燵の中に入り、温かい飲み物を受け取り暖を取る。
各務さんが僕への心遣いを終えて一息ついたのを見て、僕は口火を切った。
「各務さん。僕、もう二十歳になりました」
誕生日は半年ほど前。なのに、キス以上の行為はないまま。
もしかしたら、各務さんの方が間違ったことをしていたと思っているのでは、とずっと考えてた半年。
僕はもう大人だ。3年前のクリスマスイブの時みたいに勝手に憶測して満足するのではなく、ちゃんと事実を本人に確認するべきだ。それがどんな事実でも。
「各務さんへの僕の気持ちは変わりません。今までもこれからも。大人になって以前と違った僕になっているので、各務さんの好みとかけ離れてしまったかもしれません。もし僕以外の人を好きなのであれば…」
「―――身を引く?」
頷いた。別れは辛くて悲しいけれど、愛されていないのを知っていながら縛り付けて置く方がもっと辛い。彼の目が僕ではなく他の人を映しているのを間近で見ていくことになるのだから。
「今日はクリスマスイブなので、各務さんに好きな人がいれば今から連絡すれば明日一緒に過ごすことができるでしょう?」
「潤は変わったね」
各務さんが目を細めて僕を見つめる。
「前は守らなきゃ、と思わせる脆さがあったけれど、自立して強い男になった」
「各務さんのお陰です」
各務さんがいたから、自分に自信が持つことができたのだ。茗と比べることなく自分で、潤で良いのだといつも教えてくれていた。
「少なくても法的には大人になりました。自分で責任の取れる年齢です。だから、はっきり言ってくださって結構です」
各務さんは優しいから、本当に優しくて情が深いから、僕を傷つけたくなくて3年間一緒にいたのかもしれないのだ。
「うん。潤は大人になった」
各務さんが嬉しそうに笑った。
「なら、俺の気持ちを言うよ。俺と、結婚前提の大人の付き合いをお願いします」
「―――は?」
顔が呆けているのがわかる。実際声も間抜けなものだったし。
各務さんは何と言った?
結婚前提?大人の?
「どうかな?」
「あ。え、えええ?」
『実は好きな相手がいる』
『別れたい』
この二つに関してはどう対応するかを決めてきたけれど、今の返答は想定外すぎて混乱してしまう。
「茗ちゃんと凌一君からは『高柳家の跡継ぎは心配しなくていい』と言われた」
「は、あ?」
「でも、さすがにご両親に今すぐは言いにくいだろうから、時期を見てということで。で、どうだろうか?」
「へ、え?」
「俺は嫉妬深いよ。教授が潤のことを気に入ってて、『次はいつ遊びに来る?』って聞いてくるたびに教授を殴りたくなるくらいだ。そんな男でもよければ」
殴りたくなるのは僕じゃなくて、尊敬する教授?本当に?
もしも。
各務さんと付き合っていけるなら、しようと思っていたことが一つある。『各務』の苗字ではなくて名前で呼ぶこと。
「そんなこと嬉しいだけ…あ、愛してます、浩輔さん!」
口の中に性感帯があることはこの3年で十分知っていた。
でもその夜、僕は各務さんによって全身の性感帯を暴かれた。
耳を甘噛みされ、舐められる。乳首を抓られ、舐められ、舌で転がされ、音を立てて吸われる。
手と足の指も音を立てて吸われ、全身を指と舌が這い回る。
「や…あ…っ…ん…っ」
声が抑えられなくて、漏れ出る自分とは思えない甲高い声が恥ずかしくて、身体を這い回る各務さんの手を止めたいのに、全く力が入らない。
「…潤、…っ愛してる…っ」
全身を紅潮させて艶っぽく各務さんにそう言われて、
「僕も…っ、あ、い…はぁ…んっ」
愛してると返したいのに、各務さんは動く手を止めてくれなかったので最後まで言うことはできなかった。
勃起したモノを弄られ舐められ、刺激を外され焦らされる。
でも陰嚢まで舐められて…イってしまった。
「は、ぁ…」
涙目で息を整えながら各務さんを見れば、彼の指に付いた白濁の液をペロリと舐めていた。
その姿は扇情的で、でも舐めているのが自分の精液ってわかるだけに恥ずかしい。
「や、め…各務さ…」
「浩輔、だろ?」
おしおき、と言われ、ローションで濡れた指を僕の中ににゆっくりと入れられ…前立腺の位置を暴き出され、刺激を与えられた。僕はその刺激でオーガズムを何度も迎えて全身が痙攣する。
「…も、…っくるし…っ」
半泣きで訴えれば、各務さん…浩輔さんが笑ってキスを落とした。
「俺の我慢していた3年間分だよ」
そう言って指よりも太い、僕と形が違う大きなモノを僕の中に入れて腰を動かす。
僕は一晩中啼かされた。
「潤、大丈夫?」
「笑いながら言わないでください!」
布団に包まってプリプリしている僕を浩輔さんが上から覗き込んでいる。
全身に赤い斑点がついているし、腰は痛いし、お尻の違和感は半端ないし!
起きたら日が高く、すでに午後2時。
「せっかくのクリスマスなのに、動けません。ケーキもチキンも食べてないのに…」
「俺は潤をおいしくいただいたからな。ケーキもチキンも未練はないけど」
「―――浩輔さん、キャラ違いませんか…?」
「そうかな?そうだとすれば、これは潤限定。…あ、3年も禁欲してた反動かも?」
にこにこと笑いを止めない浩輔さん。
酷い。なんだか、僕だけ損している気分。
「あの、浩輔さん。ひと言良いですか?」
「なに?」
僕は怒りも含めて口にした。
「この先もずっとクリスマスを僕と一緒に過ごしてください!」
浩輔さんは目を瞠った後、破顔し
「当たり前」
言葉を証明するかのような、キスをくれた。
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