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新しい始まり~腐二次創作弱虫ペダル青八木目線、火の国レース帰途機内
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帰りの飛行機はガラガラで、ベルトサイン消えたらもう座り放題だった。
純太が窓側。
いろいろ気を使ったんだろう。
窓ガラスに頭もたせてうとうとしてる。
通った鼻筋。
目も大きいし結構優男。
僕を愛してくれている。
でも僕はいま逆横で眠ってる、でかい先輩も気がかりで…
高イビキ。
でもほんとは繊細。
僕と純太を見捨てず、ここまで育ててくれた。
田所さん。
僕らは恩返しできるでしょうか。
僕は今どんどんスプリントに魅せられていってる。
あなたみたいに走りたい。
8000の肺活量はないけれど、体幹に何が武器もてたら…
そんなこと考えながら田所さんの寝姿見続けてる。
時間がない。
何かほしい。
去ってくあなたに見せられる、安心させれる何か…
「あせらん方がえーですよ」
背後の席から関西訛りが届く。
目を上げると、背もたれの上に伸び上がって赤マメツブ、失礼、鳴子章吉が、田所さんの背後の席から僕を見下ろしている。
「オッサン安心させたい思てるんでしょ? ワイも同じや。せやからここはどーんとこの、ナニワのデーハースプリンター、鳴子章吉ここにあ」
「黙れ」
田所さんと純太を示す。
「寝てる」
「あむがっ」
慌てて鳴子が自分のロを押さえたけど時既に遅し。
田所さんが半目開いた。
「ついたか?」
「まだです。俺トイレ行ってきます」
立ち上がって田所さんの前を抜ける。
鳴子が田所さんの背もたれの向こうから僕に、スマンすと両手を合わせてる。
黙殺。
済ませて出ると自分が鏡に映った。
チャチな自分の胸郭。
田所さんみたいにぐっと、太く分厚くたくましかったらもっと馬力出るだろうに。
胸板…胸板!
欲しい!
「洩れっちゃうなまずいなー。経験者のボクが洩らすわけにはいかないしねえー」
言いながらトイレ前に立ったボクはすごいもの見た。
細くたおやかなあの先輩が…
振り向いた先輩もボクを見た。
「誰にも言うな。手嶋にも」
コクッコクッとボクは頷く。
言うもんかこんなスゴいもん。
経験者のボクだから黙っとける。
けど言いたい。
言っちゃだめ?
お披露目はたぶん追い出しスプリント。
鳴子君が目ん玉剥くよ!
家で弟だけに話そう。
それならいいですか…???
杉本が用足しせずに戻り、僕も『戻った』。
これが役に立つかどうかはこれからの努力次第だ。
ベルトサイン。
機が到着する。
新しい始まりだ。
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