アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
よく分からない。
-
同性愛とか、レズだとかホモだとか。
あんまり馴染みがなく……というか拒絶反応すらあり。
あ、それ自体にじゃなく、それを好き好んで追いかける奴らにだ。
「……ねぇ英、やっぱりお姉ちゃん徹と純平は出来てると思うの」
優しかった姉も、いつの間にか弟とその友達をそういう目で見るようになっていた。
は、なに?
腐女子とかふざけんなよ。
まあ、俺には幸い友達がいなかった(悲しいことだ)。
恋をするのもどうせ女だろうし、全然セーフゾーンに生息しているはず。
……はずだった。
*
バイト帰りの春の夜道。
コンクリートの上で泣いている少年を見つけた。
「……お前、なにしてる」
思わず声をかけてしまう。
……その声がどうしても無愛想なのは、まぁそれもご愛嬌だ。
涙やらなんやらで顔をくしゃくしゃにした少年は、俺のことを上目遣いで眺めたまま。
もどかしくなって手をさしのべると、わりと華奢な手でぎゅっと手を握られた。
意外と背の高かったそいつは、弟の徹と同い年くらいだろうか。
……あれ、こいつ見たことあるかも。
「……お前、徹の友達か」
そう、こいつ純平とかいうやつだ。
徹と仲のいい!
案の定頷いた純平に、『悪意こもってない?』とまで言われた愛想笑いをぶつける。
やはり戸惑ってしまった純平。
「……俺は、徹の兄だ。 えっと、とりあえず家来るか」
仕切り直しのつもりで、そう提案してみた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
2 / 2