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《偽りの代償》4
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「な、お前…今日仕事は?」
何も言えなくなっているみずきに、驚きながらも質問を投げる。
「…休みに、なったから」
反射的に答えるみずきだが…
心は激しく動揺していて…
「……」
沈黙状態が痛くて…
アキラが言葉を出そうとした瞬間…
「ッ!?」
不意にみずきが動く…
アキラを避け強引に部屋の中へ入っていく…
「ちょ…みずきッ!」
呼び止めるアキラだが、みずきは制止を聞かず、まっすぐ寝室へ向かう。
信じたくない思いはあるが…はっきりさせる為…
バン!と寝室の戸を開け…それを見る。
乱れた寝床…
「……」
部屋の入口で立ち止まっているみずき…
「……みずき」
アキラは後を追い小声で窺うように呼ぶ…。
ベッドの上の乱れた様子に…愕然としながらも…
「……寝たのか?」
短く問うみずき…
その低い声に身震いを覚える…。
……そのみずきの、怒りに震える後ろ姿を見て…
アキラは…心が縛られ…
一瞬声が出ない…
「……」
みずきは微動だにせず…
アキラの答えを待つ…
「……そうだよ、悪い?」
しかし、みずきに気圧されないよう、アキラは開き直って言い返してしまう…
「…ッ」
その答えに唇を噛み、こぶしを震わせる…。
「一回、三万、週2回六万でヤッてくれるんだよ、こずかい稼ぎに丁度いいからな…」
真実を言う訳にはいかない…
背を向けているみずきに向かい、わざとそんな、挑発する嘘を言うアキラ。
「……」
枕もとには現金3万円が…
みずきには…違えようのない事実と受け取るしかない…
悔しさに涙が出そうになる…
自分は…アキラのことを想って、死ぬほど愛しているのに…
今は、アキラに触れることすらできない…
それが、どこの誰とも知れない男と…アキラは…
「……」
振り返ってアキラの瞳を見るみずき…
「…な、…なんだよ」
その、みずきの鋭い瞳に睨まれ、たじっとなるアキラだが…反発するよう見返す。
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