アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
《偽りの代償》7
-
「……」
送り出して、すぐ携帯電話の電源をつけ、確認するアキラ…
着信はなく、留守電には入っていない…
「何、やってんだろ…オレ」
携帯を握りしめぽつりと呟いてしまう…
未練がましく…
どうせ、みずきなんか…。
オレは人とマジに付き合うことなんてできないんだ…
これでいいはずなのに…
ツラくて…
胸が苦しい…
でも、自覚するのが恐い…
人を好きになってはいけない…
もう二度と…
だから…。
考えていたその時…
アキラの携帯電話に着信が…
見ると…
「…公衆電話…から」
取るかしばらく迷ったが…
一応受けてみる。
「ハイ…もしもし、誰?」
静かに聞くと、一時空白があり…
そして返って来た声は…
『…俺だ、鈴鹿みずき…』
その声に…心臓がドクンと鳴る…
「…!みずき!?」
『あぁ、…その、今日の夜7時頃…部屋にいるか?』
声の調子はどこか弱いみずき…
「いるよ…」
不信に思ったが、すぐ答える。
『その時間、部屋に行くから居てほしい…』
「…わかった、」
どこかぎこちなく答える。
『…あぁ、なら…また』
「…じゃな、みずき…」
短い会話…
『…ツー、ツー』
静かに切れた電話…
手が微かに震える。
「やばい…オレ」
あいつからの電話…こんなに喜んでる自分。
「でも、ダメだ…」
すぐ首を振る…
自分の中に芽生える気持ちを否定する。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
16 / 194