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《温泉に行こう》4
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「ユカリさんは溺愛してるからな…コウジのコト」
頷きながら言うアキラ。
「すごい困る…もう大学生になるっていうのに、ずっと子ども扱いだし…」
「一人息子なんだから仕方ないだろ、それがお前の役目なんだよ」
「そうそう、俺は親に恵まれなかったから羨ましいよ、そうゆうの」
アキラのあとにルードがコウジに言葉をかける。
「そうだね…ごめん、」
コウジは申し訳なさそうに謝る。
「コウジ謝らなくていいよー悪くないんだし」
ルードがコウジに優しく言ってると…
「えっ、待てよ、ひとり息子って…コウジとお兄さんは兄弟なんすよね?」
不思議に思った瞬助が何気に聞く…
「オレら異母兄弟だから母親は違うんだ…」
アキラは軽く微笑んで答える。
「そっかー、じゃお兄さんのお母さんは…」
「瞬!なんでも詮索しない!」
親のことに関しては複雑で気まずいコウジ、瞬助の言葉を勢いよく遮ってしまう。
「なんだよ、びっくりするだろ」
瞬助は急に怒ったコウジを見てハテナになっているが…
「はは、コウジ、別にいいよ、オレの方は、親いないんだ」
「え…いないって…あ、すみませんっす!」
アキラの言葉を聞いて、瞬助は母親は亡くなったんだと勘違いし、はっとして謝るが…
「ん?いいって、ママが恋しいトシでもないしな…」
軽く笑って返す。
「そーだよ、俺だって親いなくても生活出来てるし…」
そのアキラに相づちを打ちながら話すルード。
「っていうか、ルーも親がいないのか?」
「いないって云うか、俺の場合は親の暴力があって、家出てんだ…」
「えっ暴力?虐待とか!?」
「瞬!なんでも聞き過ぎだよ!」
またコウジが止めるが…
「そう、あの運転してるヨシもだし、あと隣のみずきも父親から暴力受けてたんだぜ…全然珍しくないよ」
ルードは気にした様子も無く普通に答えている。
「えっ最近は…そうなのか?」
虐待が多くなってるとは聞くけどそんなに!?とコウジに本気で聞いている瞬助…
「ふっ、違うだろ…同病相あわれむの会なんだよ…」
世の中、虐待児ばっかり??みたいな瞬助の様子に、アキラはつい笑って言う。
「そ、そう…ですよねー、ははっ」
アキラの言葉に苦笑いする瞬助…
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