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《帰りの病院で…》3
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みんな頷いてコウジに賛成しているためコウジはすでに中庭に繋がる廊下を歩きはじめる。
この細い廊下を通り過ぎて広いホールに出れば、すぐ中庭と言うところで、不意に立ち止まるコウジ…
「どしたの?」
後ろを歩いていたルードが前を覗いて聞く…
そこには白衣を着た一人の小柄な医師が会議室のような部屋から出て来た所…
「え…嘘、…お父さん!?」
驚いたようにコウジが言葉にしていた。
「えっ?」
ルードや瞬助やみずきはコウジの言葉に驚く…
コウジの父親と言うことは…当然、アキラの父親ということで…
みずきは父親の存在も気になったが…
父親のことを心底憎んでいるようなアキラを思いだし…すぐさまアキラの様子を見るみずき。
アキラはコウジの言葉にハッとして、表情を固めるが…不意に俯いて両の手をきゅっと握りしめている。
「…昂治か」
いぶかしく、一行を見たあと、歩いて近づきながら…名前を呼ぶ医師…
「はい、お父さん、何故ここに?」
コウジは会えて嬉しい気持ちを抑えるように話しはじめる。
「…オペの為だ、」
コウジの近くで一度止まり短く答えるアキラとコウジの父、満…。
短髪だが、アキラとよく似た髪の色…
深緑の瞳…凛とした表情はとても大きな息子がいるようには見えない…
みんなしばしみとれてしまう。
ミツルは短く答える、優秀な医師になれば自分の病院以外でもその技術をかわれ、手術依頼がくることがある。
今日はたまたま、ここの患者を執刀したのだろう…
「そうだったんですか、驚きました、あ、僕、大学生になったんですよ」
「医学部に入ったそうだな…」
無機質に言葉を出すミツル。
「はい、四月初旬から通っています、でも、とてもお父さんと同じ所へは入れませんでしたけど…」
苦笑いしながらコウジは頷く…
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