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《帰りの病院で…》8
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「‥‥」
ほっておかれた気分になって、少しだけ犬相手に妬いてしまいそうになるみずき…
アキラが喜んでいるのだから、と、そんなそぶりを見せないようにしたつもりが…
「ふふ、邪魔しない方がいいぞー、この一番おっきい犬がすねちゃうからなー」
そうクスクス笑ってみずきを見ながらからかうアキラ。
「えっい、犬?」
自分はペットと同等なのか…
いや、アキラにとっては家族も同然な犬たちだから、昇格したのだろうか…
などと変な慌て方をするみずきに…
「冗談だって、おもしろー」
柔らかい…いつものアキラの笑顔。
さっきの不機嫌な気持ちは少しは晴れたようで安心するみずき…
アキラが隣で笑っているだけでこんなに幸せなのだから…
大切にしていきたい、アキラとの一瞬一瞬を…
そう、みずきは心の中で再確認してしまう。
しばらく犬たちと和んでいると…
「お、いたいた」
小屋の外から声をかける人物。
「…亜澄センセ、何しにきたんすか…」
その人物をみてアキラは嫌そうに顔をしかめる。
「お前をからかいに!」
ウインクするように言う亜澄に、げんなりするアキラ。
「嘘だって、伝言を伝えにきてやったんだから有り難く思えよ」
腕を組みながら言う亜澄…
「伝言?」
一応、首を傾げて聞き返すアキラ。
「お前らの仲間から、病棟のプレイルームにいるからってさ」
「あぁ、それでみんな来ないのか…」
みずきは皆が遅いことを少し気にしていたので、納得して頷く…
「…アリガトウゴザイマス、用がすんだならあっちいってください」
事務的に挨拶すると、そんなふうに亜澄を追い返す。
「アキラ?」
なぜか冷たくあしらうアキラを不思議に思うが…
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