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銀花(影菅)
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雪は、全ての音を呑み込んでしまう。
「えらい降ってんなー。足首埋まりそ」
しんしんと、しんしんと。
「仙台の方まで出るとこんなに積もらないって言うしさ、同じ宮城なのにやっぱこの辺田舎感あるよな」
街を、人を、静寂の中に落とし込む。
「…影山?」
白く、何もない世界へ。
「おーい影山ぁー。人が話しかけてっ時に意識飛ばすでねぇよ」
「っ…あ、すいません」
「ぼーっとしてて転ぶなよ?」
街灯が白に反射してやけに明るくあなたの顔を照らすけれど
「教えたことそんなに複雑だったか?」
「、いえ、そうじゃないっすけど」
「でもお前知恵熱出そうな顔してんぞ」
あなたのその笑顔の裏の翳りを齎したのが自分だと、思い知る
「…菅原さん。」
「んー?」
俺が。いなければ。
「…すんません、何でもないっス」
「何だぁ?悩んでることあるなら早めに言っとけよ?」
でも、
「卒業前に俺が教えられることは、全部教えた。この先は…」
あなたに会えたことを、悔やみたくない
「影山、」
「受験の息抜きにもっと来てくれても良いんスよ」
「…おう。」
雪は、まだ止みそうにない。
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