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愛のデート券 03
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「いってー…」
腰をさすりながら、ぼそりと呟く。
すると、隣に座っていた孝太には聞こえてたみたいで…
「大丈夫か、夕貴。今日は顔色悪いけど。」
と、心配された。
ま、これもそれも篠原のせいだけど…
俺は、「大丈夫。」と言って、再び話し合いに参加した。
昨日の行為のおかげで今日の体調はすこぶる最悪。
座っているだけでも辛い。
そんな思いをしながら、今日1日がんばってやり過ごし、ようやく放課後。
この生徒会の話し合いが終われば、今日のハードスケジュールも終わり。
そんなことを考えると、あと少しがんばろうって思えた。
「じゃ、会長。最後の問題を。」
「あ、あぁ。」
1年生で秘書の上野真(うえのまこと)に話をふられて、肩をビクッとさせながらも、平常心で対応した。
真は、篠原には及ばないが成績上位で、態度もよく、先生に気に入られている。
噂では、次の会長候補だとか。
「えーっと、最後の問題は…1年E組の長谷川樹里(はせがわじゅり)についてだ。」
ドサッと。
何かが落ちた音が聞こえた。
音のした方を見ると、真が資料を落としていた。
「おい、真。大丈夫か??」
「あ、はい。大丈夫です。話を進めてください。」
妙に動揺しているように見える。
いつもクールな真なのに…
珍しいこともあるんだなと思いながら、話を進めた。
「えっと、長谷川樹里はここ最近、遅刻それから欠席が多いんだよなー。」
「どうする、夕貴。1回呼び出して、話し合ってみるか??」
隣に座っている副会長の孝太が話を進めていく。
さすが、頼りになる副会長だ。
「いや、まだ最近のことだし…。もう少し様子を見ても…」
「でも、もしかしたら何か悩みを抱えてるかもしれないし。」
「そうだよなー。」
「じゃあ、ちょっと呼び出して話聞いてみるか。」と言うと…
「会長!!待ってください!!」
ガタッと。
大きな声を上げて。
真は、勢いよく立ち上がった。
「ど、どうした、真??」
「樹里の件は俺に任せてくれないでしょうか??」
「え??」
訳がわからなくて、首を傾げる。
すると、真はゆっくりと口を開いて。
話し始めた。
「実は、俺と樹里は幼なじみなんです。それで、最近休みがちになって…。俺もすごく心配していたんです。だから、お願いします。樹里の件は俺に任せてください。」
頭を下げて。
お願いをする真。
そんな姿を見た孝太が俺の袖を引っ張って。
気づくと、耳に顔を近づけてきた。
「俺たちと話すより、身近なやつと話した方が、話しやすそうだし…。この件は、真に任せてみないか??」
ぼそぼそと。
耳打ちで話してくる。
でも、孝太の意見には俺も納得で。
「わかった。じゃあ、長谷川のことはおまえに任せるよ。同じクラスだし、しっかりサポートしろよ??」
「あ、ありがとうございます!!」
これでようやく長い長い1日が終わり。
今から、帰ってゆっくり出来るんだなーって思うと、気が抜けた。
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