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愛のデート券 12
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たれ幕をおろすと、そこには…
【生徒会長、水沢夕貴の夏休みは誰の手に!?
得点王決定戦!!】
と、書かれてあった。
よく意味がわからなくて、首を傾げると、再び橘がマイクを持ち、俺にも、そして、全校生徒にもわかるように説明を始めた。
「えー、これはどういうことかというと、生徒会で考えた企画です。この企画は、書いてあるとおり、バスケで得点王を決めます。多く得点をとった1人の生徒が得点王に選ばれます。そして、その選ばれた得点王はなんと…青葉学園一のモテ男!!無敵の生徒会長、水沢夕貴との夏休みデート券をプレゼントします!!!!」
「…は!?」
「「「「「えええぇぇー!!!?!?」」」」」
会場内が一気にざわつく。
俺は、それすら聞こえないくらい動揺していて。
会場内の生徒たちの言葉を無視して、ステージ上のマイクを勢いよくとり、無我夢中で話し始めた。
「おい、橘!!俺はそんなこと聞いてもないし、了承もしてないぞッ!!」
「えーっと、それはですね、」
「俺が了承した。」
「なっ…孝太ッ!!」「孝太先輩!!」
橘からマイクを取り上げて。
軽く隣に退かして。
真っ直ぐと俺を見ていた。
「ど、いうこと…だよ。」
「橘の企画を俺が聞いて。それで俺が了承した。」
「じゃあ…なんで俺に言わなかったんだよ!!」
「え、だっておまえに言ったら、絶対了承しないだろ。」
「あたりまえだ!!こんなこと…」
「それに、この企画おもしろそうじゃん??」
「…は??」
「誰がおまえのデート券取るんだろうなー。」
「おい、孝太…??」
「俺は、この企画で焦っているおまえを見てみたかった。」
「なっ!!」
こんのぉ…
「ドS野郎ッ!!」
「そんなの、おまえが一番知ってるだろ??」
「なっ…」
「今日はせいぜい楽しませてくれよ??」
孝太は橘にマイクを返して。
元の位置に戻っていった。
孝太の言葉のあと、また会場はざわつき始める。
「というわけで!!みなさん、優勝もそうですが、得点王も目指して!!がんばってください!!」
会場は盛り上がっているにも関わらず、橘の言葉でより盛り上がる。
でも、俺はやっぱり納得出来なくて…
「俺はこんな企画了承してない!!それに、橘ッ!!」
「ひっ!!」
ビシッと。
人差し指を橘目掛けて指差した。
「なんなんだよ、この企画!!」
「いや、あの…」
「俺にはやることがいっぱいあって、夏休みにデートするような暇なんてないんだよ!!」
「や、だから…」
「それに、こんな企画作るくらいなら、他に、」
「だって!!」
橘の大きな声に驚いて、声が出なくなった。
いきなり大きな声を上げたせいか、それとも緊張しているせいか。
息を荒げている。
それでも橘は話を続けた。
「だって、俺…会長が好きなんですもん!!」
「…は??」
「こうでもしないと…会長にそういう意味で近づけないじゃないですか!!」
何を言っているんだろう、こいつは…
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