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愛のデート券 14
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俺がこんなことを言ったおかげで、会場は大いに盛り上がっている。
が、ある生徒のところだけ真っ黒いオーラが。
見てみると案の定そこには篠原が立っていた。
目が合うと、口パクで「あとで話があるので覚悟してくださいね。」と。
笑顔で言われた。
でも、まったく目は笑っていなくて…
苦笑いをしながら、俺はステージから降りた。
ステージを降りると、すぐに橘が俺のところに駆け寄ってくる。
「あの、ありがとうございます!!」
ガバッと。
勢いよく頭を下げた。
俺はそんな姿にため息をつき、「もういいよ。」と言った。
すると、パァッと橘の顔が明るくなる。
本当にわかりやすいやつだ、こいつは。
また「はぁ…」とため息をついて。
進行が進んでいくのを見守っていた。
そして、競技の説明などの話も終わり、「解散!!」の合図でみんなが動き始めた。
俺も、その言葉とともに立ち上がると、すぐに誰かに腕を掴まれた。
間違えるはずもない。
もう体に染み込んでいる、感触、体温。
「篠原。」
「話があるって言ったでしょ。口パクわからなかったんですか??」
「いや、わかったけど。」
「じゃあ、行きますよ。」
グイッと。
そのまま腕を引っ張られる。
「行くってどこに行くんだよ!!」
「2人きりになれる場所。」
それだけ言うと、あとは何も言わない。
相当怒ってるんだろうな…
俺は、小さな罪滅ぼしのつもりで、黙って篠原に着いていく。
生徒会の仕事があるけど…
そして、着いたところはおなじみ空き教室。
いつもの定位置に座る。
それが妙に安心した。
「先輩。」
篠原が机にドカッと座った瞬間。
すぐに話し始めた。
「なんなんですか、あの企画。」
「俺だってわかんねーよ。今日、初めて聞いたし…」
「じゃあ、なんで了承したんですか!?」
「だって、あの場面であんなこと言われたら…断るにも断れねーだろ。それに、孝太が了承してるし…」
「はぁ…」と。
盛大なため息が聞こえた。
「俺だって他のやつとデートなんかしたくねーよ。」
機嫌を損ねないように。
言葉を選んで話す。
すると、ニヤッと。
篠原の口角が上がった。
「じゃあ、俺ならいいんですか??」
「え??」
「俺となら、デートしてもいいんですか??」
してやったりという顔で。
いじわるそうに笑う篠原。
でも、そんな顔を見てもやっぱり心臓が壊れるくらい鼓動が速くなる。
「あ、あぁ。」
顔が熱くなるのを感じながら。
俯いてそう応えると、俺の前まで来て。
スルッと。
温かい手が頬に触れた。
「じゃあ、夏休みにデートしよう??」
「え…??」
「ね??」
優しい笑顔でフワッと笑ってくる。
でも…
「あー、えーっと…それは無理…かな。」
「は??」
俺はその一言でその笑顔を一瞬でぶち壊した。
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